2017年(平成29年) 12月18日

タイムス×クロス コラム

【詳報】百田尚樹氏講演会 内容と検証

写真を拡大 本紙を示しながら講演する百田尚樹氏=10月27日、名護市・数久田体育館

 作家の百田尚樹氏が10月27日、名護市内で講演した。「反対運動の中核は中国の工作員」「中国、韓国から来ている。怖い」と発言し、取材に訪れた本紙記者を名指しして「娘さんは慰み者になる」「機関紙」などと語った。講演後の記者とのやりとりが動画でインターネット配信されたこともあり、議論が続いている。実行委員会発表で600人以上が参加した講演会の内容を詳報し、事実関係を検証する。

<自民党の勉強会>危険への接近論再び

 百田氏「2年前に沖縄のことで散々たたかれた。あの時は自民党の私的な勉強会。講演が終わった後の雑談で、『私は目の敵にされてるんで、沖縄の二つの新聞社はつぶさなあかんのですけど。ははは』と言った。弾圧というのは公的権力、あるいは暴力で封じること。私はただの作家。記者は言論弾圧の意味をもう一度考えてほしい。普天間基地の周囲は、1970年の航空写真では何も写っていない。ほとんど畑。沖縄全体の人口は戦後70年で1・9倍に増えているが、普天間基地(宜野湾市)は6倍。基地の近くに住めば商売ができると」

■基地より先に住民がいた

 普天間飛行場の土地は戦前、宜野湾の中心部だった。村役場や学校があり、9千人以上が住んでいた。米軍がその土地を占領し、住民が収容所にいるうちに基地を造った。つまり、基地より先に住民がいて、暮らしがあった。この事実は繰り返し指摘されているが、百田氏は2015年、自民党本部の勉強会で「危険への接近」論を唱えて以来、同じ主張を続けている。この時の勉強会ではほかに「騒音がうるさいのは分かるが、選んで住んだのは誰なのかと言いたくなる」「沖縄は本当に被害者なのか」「沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」とも語っている。これらの発言について釈明はない。

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