最近手足の爪が肥厚して切りにくくなったと思う方は爪の水虫かも知れません。爪水虫は手足の爪に感染した白癬(はくせん)菌というカビが原因です。

 手足の水虫の20%に合併し、年齢的には30~50歳、高齢者まで幅広く見られます。爪水虫は自然治癒しない感染症で、症状としては爪先端または辺縁の白色混濁で始まり、爪甲部が崩壊することもあります。

 爪水虫は突然発症することはありません。爪には神経が通っていないので、痛みやかゆみは自覚できません。そのために治療を怠って爪の変形、爪の周囲の発赤、はれ、痛みが生じ歩行困難になる場合があります。爪水虫を放置すると大切な家族、更にはお孫さんへの感染の心配があります。そうならないためにも早期治療が大切です。

 爪白癬の治療法には、原因となる白癬を退治する抗真菌薬の内服と外用法があり、最近ではレーザーによる治療もできるようになりました。

 日常で気をつける予防法は(1)手足をきれいに洗い乾燥させる(2)靴は蒸れにくい物、靴下は5本指ソックスなど通気性の良いものを履くよう心がける(3)軽石や硬めのタオルで頻繁に強く擦ると肌を傷つけ、菌が入りやすくなることがあるので注意(4)毎日同じ靴を履かない-などです。

 ぬれた靴を長時間履く事も感染源なので乾燥させることも大切です。家族にうつさないために室内も清潔に保ちましょう。浴室の足拭きマットやスリッパ、サンダルの共用は避けましょう。

 洗濯は別々にする必要はありません。水虫は切った爪や剥がれた足の皮にも生存しているのでこまめな掃除を心がけましょう。

 爪水虫のチェックは、(1)毎年水虫を繰り返している(2)爪が白い、または黄色く濁っている(3)爪が厚くなって靴が履きにくい(4)爪がもろく、ボロボロに欠けている(5)爪が厚く変形して切りにくい-の五つ。(1)~(5)の項目が一つでもあれば、爪白癬の可能性が大です。

 爪水虫は1度かかると治療しない限り治ることはなく悪化するだけです。爪切りが使えないほど爪が厚くなったり、変形したりすると爪自体を抜くしか方法がなくなりますので、症状の軽いうちに皮膚科医師の診断を受け、根気強く治療することが大切です。変形して爪切りで切れない爪は家庭内において爪ヤスリでケアするのも一つの方法です。

 一皮膚科開業医としては、思った以上に高齢者の方に爪白癬の症状が多いことを実感しております。ご自身の手足の爪の変形・肥厚・痛みがないか1度確認して頂き、気になる症状があればお近くの皮膚科医に遠慮なく相談して下さい。(金城浩邦 名護皮ふ科)