【市塚和枝通信員】6月のある土曜日、イタリア北部の小さな田舎町で 沖縄出身の女性の結婚式があった。コモ湖の隣で、イタリア第2の大きさのマッジョーレ湖のほとりにある町アンジェーラで行われた。

新郎と新婦が背中合わせに座り、友人らの質問に答えるゲームの様子

 イタリアの結婚式は、2通りの方法がある。一つはクリスチャンであればどこの教会でも式を挙げられ、もう一つは宗教に関係なく、誰でもどこの役所でも、結婚式を挙げることができる。

 結婚式を挙げる役所は自分が住んでいる町でなくてもいい。日本語を教えている伊良波千明さん=うるま市出身=は、恋人とこの湖のほとりを散歩しているときにアンジェーラを通り掛かり、結婚式を挙げるには最高の場所だと確信。1年前に役場に申請した。

 式の当日は天気にも恵まれ、アンジェーラの役所へ。役所のセレモニー会場では、助役と秘書が一段高くなった正面で待っており、教会の結婚式と同じように、新郎が参列者と一緒に、新婦とその父親を迎える。

 助役は、この町を選んだことへの感謝の意を述べ、祝福の文を読み上げる。最後に新郎、新婦側から、それぞれ1人ずつ選ばれた立会人の下、2人が宣誓、サインをして、結婚が成立したことを承認する。

 中庭では、新郎新婦が出てくるのを待っている友人たちが、幸運のお米を用意。出てきた新郎新婦の幸せを祈り、米を投げる。古代ローマからの繁栄と子宝に恵まれる幸運の願いだ。

 披露宴の正餐は、メーンディッシュが終われば、新郎新婦を交えたゲーム。新郎と新婦が背中合わせに座り、それぞれ、右手には新郎の靴、左には新婦の靴を持ち、友人たちが準備した30項目の質問書に答える。

 例えば「どちらが片付け上手ですか?」という質問では、新婦は自分が上手と思えば靴を上げ、新郎は新婦が上手と思って、新婦の靴を上げれば、2人は一致。その逆の場合はからかわれ、皆で大笑いとなる。新郎新婦は、30項目の結果をこれからの結婚生活の教訓として、家の中に飾るという。

 イタリアでは、結婚のお祝いは、新郎・新婦が作成した希望リストに沿ってプレゼントするのが習わし。日本のようにお祝いのお返しをするという習慣はなく、代わりに“ボンボ二エーレ”という、お祝いの小さな記念の品を新郎、新婦2人の手から、招待客一人一人に手渡す。