昨年4月に沖縄県うるま市で県内在住の女性=当時20=を暴行目的で殺害したなどとして、強姦(ごうかん)致死、殺人、死体遺棄の三つの罪に問われた元米海兵隊員で軍属だったシンザト・ケネス・フランクリン被告(33)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)であった。検察側は「被害者の生命や尊厳を軽視した残酷な犯行で、地域に与えた恐怖も大きい」として被告に無期懲役を求刑した。弁護側は有期刑が相当だと主張して、審理は終結した。判決は12月1日。

(資料写真)那覇地裁

 検察側は論告で、ケネス被告が犯行の詳細を自供した死体遺棄容疑での逮捕直後の供述について「犯行を具体的に再現しており、信用性が認められる」と主張した。その上で「棒やナイフなどを使った一連の犯行で、被害者が死亡する危険性は高かった」と指摘。暴行の実行行為に着手した時点で殺意は認められ、殺人罪は成立するとした。

 また、犯行態様や遺族の処罰感情などを踏まえ「死刑求刑も検討に値した」と述べた。だが、「被告人が逮捕前に犯行を自供した上で遺体現場に警官を案内し、日本国内での前科がない」などの事情も考慮して「死刑求刑は躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない」とした。

 弁護側は検察側が殺意を立証する重要な証拠としている供述について「真っ暗な中での犯行状況を詳細に述べるなど、不自然な点が多数ある」と主張。「密室で取り調べを受ける中で、取調官に迎合した可能性があり、信用できない」として殺人罪は成立しないとした。

 その上で「黙秘権は憲法などで保障されており、黙秘を理由に被告人に不利な判決を出すことは違法だ」と指摘。「今回の事件は米軍や基地とは関係ない。公正公平な判断をしてほしい」と裁判員に求めた。

 ケネス被告は最終意見陳述で「私は悪い人間ではない。この状況は、私が意図したことではない」と述べた。

 検察側の論告後に、被害者遺族の代理人弁護士も量刑に対して意見を述べ、被告人に死刑を求めた。