【与那原】1941年に交付された旧県営鉄道(軽便鉄道)与那原駅長の辞令書が見つかった。駅長に任命された故知念松盛さんの長男、宏さん(71)=那覇市=が保管していたもので、関係者は「当時を知る貴重な資料だ」と話している。

駅長の辞令を保管していた知念宏さん(右)と資料を鑑定したゆたかはじめさん=10日、与那原町・町立軽便与那原駅舎展示資料館

知念松盛さんに交付された1941年5月19日付の与那原駅長の辞令

駅長の辞令を保管していた知念宏さん(右)と資料を鑑定したゆたかはじめさん=10日、与那原町・町立軽便与那原駅舎展示資料館 知念松盛さんに交付された1941年5月19日付の与那原駅長の辞令

 松盛さんは27年に県立二中を卒業後、当時の県鉄道管理所に採用された。その後国場駅や桑江駅長などを経て、与那原駅では最後の駅長を務めた。戦後は沖縄民政府などに勤務し、98年に90歳で亡くなった。

 駅長の辞令書は、卒業証書や各種辞令、アルバムなどと共に木箱に納められており、松盛さんの没後、宏さんが見つけた。

 「どれくらい貴重な物なのか見当がつかなかった」と話す宏さん。10日に町立軽便与那原駅舎展示資料館で、沖縄の軽便鉄道に詳しいゆたかはじめさん(87)に実物を見てもらった。

 ゆたかさんは「沖縄戦で全てが焼き尽くされた中で、こんなに貴重な原本が残っていたとは」と驚く。

 資料の中には与那原駅が「軍特殊施設」として陸軍に協力したことへの感謝状もあり、戦時中の軽便駅の位置付けが示されている。

 宏さんは「貴重な資料を今後どう保存するか、考えたい」と話している。

軽便鉄道1914年~45年初めごろまで県が経営していた鉄道。与那原-那覇間の与那原線は14年12月1日に開通した。