子どもの貧困に携わる沖縄県内の関係者41人が執筆した「沖縄子どもの貧困白書」(かもがわ出版)が10月末刊行された。県の担当職員や研究者、学校教員、支援関係者らが、全国に先駆けて実態を調査した「沖縄モデル」を発信する一冊。発売から1カ月足らずで重版が決まるなど、県内外の書店で好評を博している。定価2700円(税抜き)。

第1章を執筆した県子ども未来政策課の喜舎場健太課長(右)と川満孝幸班長

沖縄子どもの貧困白書

第1章を執筆した県子ども未来政策課の喜舎場健太課長(右)と川満孝幸班長 沖縄子どもの貧困白書

 編集委員は加藤彰彦沖大名誉教授、上間陽子琉大教育学研究科教授、鎌田佐多子沖女短大学長、金城隆一NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい代表、小田切忠人琉大教育学部長・教育学研究科長の5人。編集作業を県子ども総合研究所が担当した。

 0章では、子どもの貧困の当事者として育った若者たちが育ちの中で感じた孤独や悩み、現在の思いなどを執筆した。児童養護施設出身の金城さや佳さんは「感謝」を強いられてきたことへの違和感を吐露。「私たちは望んで当事者になったわけではありません。守られるべき権利や経験が守られていない、と声を大きく発言できる社会であるべきだと、私は思います」と心情をつづっている。

 1章では全国で初めて都道府県単位の子どもの貧困調査をした県の担当課職員による施策紹介や、分析した研究者の考察を収録。2章では教育現場の課題や子どもたちに寄り添う教員たちの姿が浮かび上がる。3章以降は保育や家庭支援、居場所づくりに取り組む関係者が現状に触れ、課題を指摘。沖縄特有の歴史的背景なども説明されている。

 かもがわ出版編集者の三輪ほう子さんは「県の実態調査を基に、官民双方の立場から執筆いただいたのは類のないこと。沖縄を見なければ日本は見えないということを全国に伝えたい」と出版の意図を語る。

 問い合わせは、かもがわ出版、電話075(432)2868。

◆来月10日にシンポ

 出版記念シンポジウムが12月10日午後1時から、那覇市の沖縄大学本館1階同窓会館で開かれる。参加費千円。定員に達し次第、締め切る。参加申し込みはメールアドレス、okinawahakusho@gmail.com