2017年(平成29年) 12月11日

大弦小弦

[大弦小弦]全国紙の記者が「書いてもうちは載らないから」とこぼすのを・・・

 全国紙の記者が「書いてもうちは載らないから」とこぼすのを何回聞いただろう。辺野古新基地を巡る国と県の訴訟合戦、現場で見る国の強権ぶり。どんな異常事態も長引くにつれて日常化し、「ニュース」は「また」に変わっていく

▼同業者として、理由はよく分かる。私たちは地元紙だから記録を続けるが、扱いは最初に比べれば小さくなりがちだ

▼それでも、工夫次第で切り口はある。共同通信那覇支局は「辺野古から」というシリーズ記事を全国の加盟社に配信し、加筆してインターネットでも公開している。大事件がなくても現場に足を運び、生の声を本土に届ける。もう89回になる

▼今月立ち上がった沖縄を論じるサイト「OKIRON(オキロン)」でも、沖縄と縁が深いTBSキャスター、松原耕二さんと佐古忠彦さんが対談している。実像をどう本土に伝えていくか

▼「沖縄報道が定型化すると、番組を作る方もつまらないし、見ている方はもっとつまらない。ますます沖縄報道が減る。だから、いろんな沖縄の描き方をしなければ」「直球を投げても受け止めてくれるんじゃないか」

▼正解はたぶん一つではない。本土の無関心は本土メディアのせい、と嘆いているだけでも変わらない。私たち地元メディアも切り口を競い、沖縄を考えるいろんな種を本土に届けたい。(阿部岳)

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
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