16日午後の翁長雄志知事と会談後、中谷元・防衛相と記者団とのやりとりは次の通り。

翁長雄志知事との会談について説明する中谷元・防衛相=16日午後、県庁

 記者 報道陣退出後のやりとりは

 防衛相 せんだっての菅官房長官との会見を受けて、政府に対して何点かお尋ねのあった点をお答えさせて頂いた。まず1点、在沖海兵隊の抑止力についてなぜかと、いう点。これについては、地理的な重要性を有する沖縄に、やはりすぐれた機動力、展開力。これを持って幅広い任務に迅速に対応できる米海兵隊が駐留していることは、日米同盟の抑止力を構成する重要な要素にもなっているし、島しょ部の多い南西地域の防衛でも、在沖海兵隊の機動性、即応性および水陸両用作戦能力。これは重要な役割を果たしているもの。なぜ沖縄かというと、日本の南西方面の面積、非常に広大で自衛隊も対応するが、島しょ防衛能力などにおいてもやはり、米軍の海兵隊の能力は必要である。こういう点から明らかなように、戦略的要衝たる沖縄の米海兵隊の駐留は我が国の安全保障上不可欠なものであると、お答えさせて頂いた。

 それから2点目は、佐世保に強襲揚陸艦や、岩国に米軍施設があるので、そちらに近いほうがいいんじゃないかという質問。これは、戦略的に強襲揚陸艦というのは長距離に大量に物を運ぶために使われるものであるが、海兵隊は、戦術的な輸送能力があり、たとえば特殊作戦や偵察、民間人の救出活動とか。こういった陸上部隊、航空部隊、後方支援部隊。これの相互の連携を深めて、即応性を維持することで、実践的な、総合的な訓練も日頃から行っていく必要があるので、やはり一体的に所在する意味において、沖縄にまとまっていた方が対応能力があると。確かに、米軍再編で、人の配置なども変わっているが、司令部が沖縄にあったほうが、すぐに事態が起きたときに対処しうる。そういう意味で、私どもは必要だと考えている。強襲揚陸艦が海兵隊の配備に対する決定的な要素になり得ないと考えているところです。それから、沖縄等の必要性や、森本さんの発言ないしモチヅキさんの発言に関連して、相手がどうだということではないが、しっかりとした体制を構築することによって、安全性が確保されると。つまり、ある程度部隊の安全性を確保することが大事なわけで、ミサイル防衛についてはBMDとか、PAC3などで対処をするべきである。一番の問題は力の空白ということですので、そういったものが生じえないように対応する必要がありますということです。

 最後に、KC130の機数についての認識、過去環境影響評価書でもあわせて普天間の移駐前の機数については73機と政府は認識をしているので、この辺についていろいろ調査をしたが、73機からKC130、15機引くと58機であると、あらためて答えさせて頂いた。知事さんから、じゃあ冷戦時代と今とはどう認識を変えたのかという質問があったので、これは比べるというのは難しいが、やはりいずれの時代においても力の空白をつくらないということについては、大事なことであり、変わらないということで、沖縄における米軍の存在の必要性について話しさせていただいた。

 それから、前の政権の時に、沖縄の協議会、これが開かれ、5年以内という話があるが、その後どうなったのかという話について。県からロードマップをつくっていきたいということでありましたので、官房長官に伝えさせて頂くと。これらの項目については、KC130移転、訓練の移転等について政府としては取り組んでいるので、引き続き努力を続けていく。今後、協議の中でこういった問題も協議をされるというような必要性を私もあるので、官房長官にこれは伝えていきたい。

 記者 知事は抑止力の話で、冒頭議論を深めようにも、入り口論的な所で話が止まり、議論できないと、深まらないと指摘していた。今日細かく議論し、説明したと思うが、知事からはどういった反応があったのか。これまでより議論は深まったか。

 防衛相 私なりには誠実にお答えをしたわけだが、ご認識が深まればいいが、まだまだそういう点でご理解がいただけるものではないと思っているので、引き続きこういった質問に対しては答えていきたい。

 記者 菅官房長官との会談で、沖縄に海兵隊がいることの脆弱性を知事が指摘していた。中国の弾道ミサイル能力があがっている。そういった時、海兵隊が抑止力として沖縄にいることの整合性は。

 防衛相 日本の自衛隊等の能力もあるので、やはりしっかりとした安全保障体制を築く上で、自衛隊と、在日米軍、日米安保条約のプレゼンスというものは必要。説明したのは、地理的にやはり、沖縄に海兵隊がいることによって、地域の平和と安定のために大変機能していると説明した。

 記者 次回の集中協議。大臣も同席するとあるが、今回あえて集中協議とは別に知事に会った意義は

 防衛相 本来目的は1カ月の間に、特に名護市に行き市長と会談し、北部の米軍基地関連の6町村、そしてこれから中部の市町村とも基地関連で話をして、それぞれの意見や要望を踏まえる。そして、知事さんとも面談し、前回から3カ月ぶりになるが、また引き続き話し合いを通じて、理解を深めていきたいし、私も沖縄の声を聞いてみたいということで。協議を通じて、相互の理解と信頼が深まるのを実現したいという思いで参った。

 記者 北部を終えて感想は。

 防衛相 全般的に基地を抱える市長さんなりの意見として、そういったものにしっかりと対応していかなければならないと。国と自治体だけではできないので、米軍、また県とも調整をしていく必要があるが、基本的にはSACO合意があるので、それに伴う基地負担軽減、移転縮小が確実に早く実現できるようにしなければならないと思っている。

 記者 冷戦時と比べて、大臣は変わらないと。

 防衛相 一概には言えないが、冷戦時代は力の均衡によって、世界的な安定、秩序が保たれてきたが、冷戦が終わった途端に中東で紛争も起こっているし、現在も中東において不安な状態が続いている。それを考えると、冷戦が終わったからといって、危険性が軽減されるのではなく、大事なのは力の空白、これができるとそれぞれの国際関係、環境が変わってくるので、非常に不安定になってくるので。きちんと抑止、力の均衡が保たれることが大事ではないか。

 記者 知事側には、冷戦時代より悪化していると言ったのか、変わらず今も危ない、安全保障環境は厳しいと言ったのか。

 防衛相 力の空白というものをつくることによって、より不安定になってしまう。やはりしっかりと抑止力とかプレゼンスとかいったものを保つことで、安定と平和が保たれるようにする必要がありますよという話をした。

 記者 知事からは米軍事故事件の問い合わせをしても、しゃくし定規だと。徒労感があると言っていたが、大臣はそれに対し何を。

 防衛相 前回も知事から要望があるので、できるだけ早く連絡をすることと、米軍に対しても働きかけをするということであって、昨日は在沖四軍調整官に申し入れをしたことによって、米軍もさらに運行等については事故防止、あるいは安全対策を徹底するということで、米軍に対して意志が伝わりますので、しっかりと地元の要望や要請を伝えていきたい。

 記者 ヘリ墜落。事故時の訓練、日米以外の軍は立ち会っていないのか。

 防衛相 内容については承知していないが、自衛隊が訓練の視察という形で参加をしてきたというのは数年前から実施をしてきた。米側は訓練の具体的な内容等は公表していない。自衛官はあくまでも陸軍の実施する訓練の研修をしていた。内容は特殊作戦軍の研修内容で、お答えは差し控えさせて頂く。米特別部隊が特殊作戦能力等を自衛隊に対して実演、説明をしていたということであるが、米側は訓練の具体的な内容を公表していない。