16日の中谷元・防衛相との会談後、翁長雄志知事と記者団とのやりとりは次の通り。(全文)

中谷元・防衛相との会談を終え、記者に質問に答える翁長雄志知事=16日午後、県庁

 記者 中谷防衛相から、抑止力の観点や強襲揚陸艦の話の中で「力の空白を生まない」という話があった。これらの説明を受けて率直にどのように感じたか。

 知事 話の順序立てがあることはあるが、今のことに関して言うと、私の方からすると海兵隊は機動性、即応性、一体性というものが抑止力の原点になっているので、その機動性、即応性、一体性という意味で大変おかしいのでないか、と。極端な話、一体性は佐世保に揚陸艦がある。岩国にハリアー機がある。そしてハワイやグアムに海兵隊が分散されている。そういったこと等を挙げながら、一体性という意味でも即応性という意味でも機動性という意味でもおかしいのではないかという話をした。

 そういう中で、力の空白が生まれてはならない、と。沖縄が地政学的に大変重要であるので、そういう中で沖縄に置かれているというような話があったので、私からすると、そういうことを皆さん方がおっしゃっても、ジョセフ・ナイさんやマイク・モチヅキさんはこういう固定的な抑止力というのは弾道ミサイルが発達している中では、とても抑止力とはならないんでしょうか、という話をしたら、ミサイルが撃ち込まれてきた時には、ミサイルで対応するんだという話をした。私からすると、あなた方は沖縄を領土としか見ていないんじゃないの、と。140万の県民が生きて、生活しているんだということをよくよく考えてそういう話をしないと、ジョセフ・ナイさんやマイク・モチヅキさんも一定の価値観を持った抑止力論を言っている。皆さん方に140万の県民がここで生きているということが分かったら、そういった方向性で物事を考えるのが当たり前じゃないでしょうかという話もさせてもらった。

 記者 大臣は丁寧に説明したという印象があるが知事として、入り口に立つ説明はあったと感じているか。

 知事 今までの説明よりは詳しく説明していたけれど、中身は変わらなかったということになると思う。今言ったような形の中で話をさせてもらったのが、沖縄を領土的なもの、無機質的なもの、そこに島があるからそこで対応しようというような発想が見えてくる。140万県民の安心安全は戦争中のことも含めて、戦後70年間こうして貢献もしてきたことも含めると、もうちょっとあなた方は考える必要があるんじゃないのかというような話をさせてもらった。

 そういった安全保障の中に必ず防災というのが入ってくる。オスプレイも防災にとって大変重要だという話をするもんですから、確かに防災のことについては感謝申し上げます、と。しかし防災が主目的じゃないでしょう、と。100あるうちの10以下じゃないでしょうか、と。防災というのを前面に出して基地を置くということについ

て、私は説明の仕方として少しおかしいのではないかという話もさせてもらった。

 記者 防衛相から辺野古移設への理解を求めたり、知事から改めて辺野古移設はできないと返したりするやりとりはあったか。

 知事 大臣に対してはなかったが、菅官房長官から原点が違うということで、辺野古が唯一だと話をされていたが、それはもっと柔軟に考えなければダメですよという話はしたが、それはそのことを言うために言ったのではなく、他の話をする時にそれが出てきたということ。

 記者 普天間飛行場の5年以内の運用停止について、防衛相がぶら下がりの中で県がロードマップを作りたいという話があるということだった。狙いは。

 知事 (集中協議の)1回目、菅官房長官と話をして今日、中谷防衛大臣は北部の市町村長やそういった方々とお会いする中で私にも会いたいということなので、5回ほど(集中協議が)開催されるものとは違うが、会って話をしたいというものを断ることはできないので、防衛大臣は防衛大臣として話をするべきだろうというようなことで話をした。5回という会談だが、これも(8月)10日から始まって9月9日で終わる。その5回でどれだけ話ができるのかというようなことを安慶田副知事から話をしてもらった。すでに1回は終わって、明後日またお会いするが、今の状況の中で、どういう風にやっていくかとなり、一昨年の12月頃から始まった政策協議会、去年の2月を起点として5年以内の運用停止という話も政府の正式な発言としてあった。あれから1年半経ちますよ、と。1年半経つ中で、基地負担軽減推進協議会あるいは作業部会、今年の2月26日に沖縄県から早く開催してくれという申し込みをしたが、まだないじゃないですか、と。ロードマップは沖縄県側で作成して、皆さん方に提示することになるのか、それとも話し合いをして色々やるのか、部会や協議会は生きているんですよね、と安慶田副知事がした。すると、それは生きている、皆さん方から要請があることも承知している、菅官房長官にも相談して考えていきたいというような話だった。この件については、そういうこと。

 記者 県からロードマップを作りたいという話をしたわけではないのか。

 知事 作りたいというより、私たちが作らないと前に進まないんじゃないですかということ。私どももそれなりに県の考え方として議論しているところだが、それを私たちがどのようにして扱っていくかについては、1年半も遊休化している中で、意味合いの違うものを5回やるわけで、そうすると皆さん方どう考えているんですか、という話をしたら、2月26日に開催要請があったのも知っているので、菅官房長官にも報告をしたいというような話だった。

 記者 知事としては集中協議のテーマに5年以内の運用停止も入れてほしいか。

 知事 5年以内の運用停止も話はさせてもらっているが、皆さん方ご承知の通り、1回目は抑止力から負担軽減の問題もさることながら、いろんな問題を話をして、1回目に関しては菅官房長官から言うと、原点の話だけをされて、特に私の物の考え方に反論とかはなかった。今日は防衛大臣にもそういった話があると聞いていたので、抑止力についてくわしく考え方を聞かせてくださいという話をして、向こうもちゃんと整理されていたようでそれを読みながら防衛についての話があった。私は、それを聞いて私の考え方を申し上げた。

 記者 これ以外に知事から注文や要請したのか。

 知事 要請というか、H60(墜落事故)の件についても、防衛大臣が米軍に、ウィスラー中将に要請をしたという話があったので、事程左様に大臣が行かれても詳しくは返事がなかったということなので、日米地位協定の壁が厚くて、私ども各市町村もそうだが防衛局に行っても、特段明確な対応の仕方はいつも聞かされません、と。米軍に報告をしますとか、今のところ全く分かりませんというような返事しかないので、私たちが頑張っているんだということをご理解願いたいと話をしたら、これには頷いていた。

 記者 冷戦期と比べて安保環境が厳しくなっているかという疑問は今日も投げかけたか。

 知事 この件については冒頭から説明がなかったので、改めて向こうで沖縄の防衛の重要性の話をされたから、改めて冷戦時期と今の時代は危機的な状況という意味では、どちらかとまともには答えていただけなかったと思う。どの時代でも力の空白は許されないという話だった。力の空白が許されないのであれば、先ほどのミサイルについてはミサイルで(対応する)という話があったが、あなた方が危機があるというのは中国と北朝鮮ですよね、と。先ほどの説明では、台湾に有事があった場合も沖縄が近いということで重要だという話をしていたので、北朝鮮からのことについては、北九州の方がいいんじゃないですか、分けて考える必要があるんじゃないですかという話もしたが、その件については今日は返事はなかったように思う。

 記者 5年以内の運用停止のロードマップは、県が作らないといけないのかと質問したのか、県から作ると示したのか。

 知事 作りますという・・・これは国の責任でやらなきゃいけませんので、皆さん方が何もやらないということになると私たちは私たちでも作っておいて、たたき台というかやらざるを得なくなるようなところまで時期は過ぎていますよ、と。1年半。本当ならば皆さん方で外交権もあるわけで、こういったことをやるべきじゃないでしょうかという話をさせてもらい、なおかつ私どもからすると沖縄県としても準備はしておかなきゃいけないなというのを僕らなりに話をしているので、それなりに考えている。しかしながらいずれにしても国が中心になって米国と交渉をする中でやっていく必要がある。これの動きを見ないことには、私たちが作りましょうね、などど言っても他の物でも全部やっていいかということと同じなので、一応県はそれくらい緊迫した状況で5年以内の運用停止については見ていますよと伝えた。

 記者 名護の久辺3区の区長と防衛相が会ったが。

 知事 この件は出なかったですね。僕からも向こうからも。

 記者 防衛相と区長が会って、地元と国が引き続き協議するという話をしている。知事としてどう考えるか。

 知事 今話したので30分精一杯で、話したいのは他にもあったが、この件についてはこっちからも言い出す時間がなくて、向こうも言わなかったと思う。

 記者 思いとしてはどうか。条件付きで(移設)容認の区と国が話し合いをすることについて。

 知事 まぁ自治体と地域の人とどう考えるかと言っても、話をすることそのものを、話をするなということにはならないと思うので、いずれにしろ沖縄県あるいは各市町村、しっかりとこの問題には対応していくことが重要ではないかと思っている。

 記者 抑止力に関する大臣の説明は、納得できる部分があったか。受け入れられるものではなかったか。

 知事 今までの国会答弁と一緒ですので、中国のA2ADとかいろいろあった。エアシーバトルとか、こういう話までしようかとも思ったが、とてもじゃないが30分でそこまでいかないので、そういったことは今までも聞き及んでいるので、ただ初めて発言したという意味で、5回の中でもないが、防衛大臣から(直接説明が)あったという意味では、生の声で聞いたという意味では意味はあると思うが、中身において変わったようなものはない中で、沖縄県民に対しての思いや歴史的なことに対する認識はなく、日本の防衛のためには沖縄が必要であるということがいろんな形で説明があったということ。