決勝打は、県大会では1番打者で、甲子園では7番に下がった男が放った。3-3の八回1死三塁、7番砂川謙斗が外角低めの直球を流し打ち、決勝の左前タイムリー。「仲間がつないでくれた打席。自分が決めようと、迷わず打てた」と白い歯をこぼした。

興南-鳥羽 8回裏興南1死三塁、砂川が左前に決勝打を放つ。捕手梅谷=甲子園

 八回裏、守備で途中出場していた先頭の5番高良宗矩が左前打で出た。続く6番佐久本一輝の送りバントが相手の失策を誘い、一気に三塁を陥れた。

 絶好のチャンスに、打席に入った砂川は気合十分の表情。三塁上の高良と目を合わせ、「自分たちレギュラーが頑張らないといけない」と奮い立たせた。

 鳥羽のエース松尾大輝が投じた5球目、見送ればボールの外角低め直球をすくい上げた。打球は遊撃手の頭上を越えてレフト前へ。決勝点を呼び込み、「狙ったというより、うまく体が反応した」と満面の笑みだった。

 大阪生まれの、いわゆる沖縄3世だ。1982年の興南で、夏の甲子園16強メンバーだった父謙二さん(49)の影響で野球を始めた。中学卒業後に沖縄へ渡り、父の母校の門をたたいた。

 「自分たちは8強。父の記録を超えられた」と頬を緩める。「でも、夢の舞台で勝ち上がれている。もっと結果を残していきたい」と、準々決勝の関東第一戦に気持ちを向けた。(花城克俊)