3-5の九回裏、2点差を追い掛ける興南ナインは驚異の粘りを発揮し、プロ注目のオコエを擁する関東第一を最後まで苦しめた。

9回裏興南1死二塁、具志堅大輝の右前適時打で、二走・比嘉龍寿が生還(朝日新聞社提供)

 オコエに2ランを浴び、敗色ムードが漂う中で迎えた最終回の攻撃。主将で先頭の比嘉龍寿が「絶対、塁に出る」と決意した打球は左翼フェンス直撃の二塁打。反撃ムードが一気に高まった。

 1死後、3番具志堅大輝が打席に入った。「後ろには先輩たちがいる。つなぐことだけを考えた」と、相手右腕の134キロの直球をしぶとく右前に運ぶと、二走比嘉が猛然と本塁突入。タッチをかいくぐって1点を返すと、両腕を突き上げて雄たけびを上げた。

 次の4番喜納朝規の詰まった当たりはショートゴロ。だが、必死の一塁スライディングで併殺を防ぐと、初戦で代打サヨナラ打を放った城間楽人に回った。アルプスの歓声は最高潮に達したが、フルスイングの空振り三振。熱かった興南の夏が終わった。

 比嘉主将は「これまでも逆転してきたので、みんな諦めていなかった。甲子園では毎試合、控えも含めてヒーローが出た。これが興南野球だと思う」と胸を張った。(粟国祥輔)