甲子園で初の先発出場を果たした背番号「18」の城間楽人が、同点適時打を含む2安打と起用に応えた。「やり切った。甲子園は一つ一つのプレーへの反応が気持ちよかった」とすがすがしい表情で語った。

7回裏興南2死一、三塁、城間楽人が中前適時打を放つ(松田興平撮影)

 2-3の六回、無死から安打で出塁したが、走塁ミスで好機をつぶした。七回2死一、三塁のチャンスで回ってきた打席。「何とかしたかった」とカーブに食らいつき、中前に挽回の同点適時打を放った。

 4-5の九回2死一塁、逆転打の期待を背負うも空振り三振。「捕手が球をこぼしたので、まだいける」と諦めずに一塁へ駆けだしたが、万事休すだった。

 中学時代、陸上のジャベリックスローで全国優勝した強肩を生かし、投手としての大成を期待されたが、昨年冬に肩を故障。コーチらの助言を受け、打者にシフトしたことで甲子園メンバーに滑り込んだ。

 初戦では代打サヨナラ打を放つなど、大舞台で勝負強さを発揮した。「期待して使ってくれた監督には感謝しかない。この経験を糧に、大学でも野球を続けてさらに大きく成長したい」と誓った。(石川亮太)

■仲、気迫の3安打 奈良の母へ「ありがとう」

 2番仲響生が3安打1打点と気を吐いた。初回、真っすぐを打ち返し内野安打。1-1の同点に追い付いた二回は、読み通りの低めのチェンジアップに「うまく体が反応した」。しぶとく中前に落とす逆転二塁打を放ってチームを波に乗せた。

 「県大会でも自分が出たら点になる場面が多かった」と、起点になることを心掛けた。七回も1死から右前打を放つと、5番城間楽人の適時打で同点のホームを踏み、「みんながつないでくれてよかった」と振り返った。それでも惜敗に「正直悔しい」と目にあふれんばかりの涙を浮かべた。

 母親に反対されながらも、出身地の奈良を離れ、沖縄で高校野球に明け暮れた。「母に少しはいい格好を見せることができたと思う。素晴らしい仲間にも出会えた。母に『ありがとう』と伝えたい」と鼻をすすった。

■比屋根の心意気「成長つながる」我喜屋監督ねぎらう

 3-3の九回、関東第一の強打者・オコエ瑠偉との勝負が結果的に勝敗を分けた。だが、興南の我喜屋優監督は「全力で投げて全力で打たれた。悔いはない。打った彼に敬服する」とたたえた。

 「勝負しない選択もあったが、そこを勝負した。比屋根にとっては成長につながる」と期待を寄せた。

■4番喜納無安打 涙で「力不足」

 「打てなかった。自分の力不足」。4番喜納朝規は、試合終了後のロッカールームで大粒の涙を流した。この日は2三振を含む4打数無安打。九回、後輩の3番具志堅大輝が右前適時打でつなぎ、なお1死一塁の好機で遊ゴロに倒れた。

 「慌てた。雰囲気にのまれ冷静に打席に入れなかった」と悔しがった。

 「最高の舞台でプレーできたのは幸せだった」と振り返り、「後輩には自分たちのベスト8を超えてほしい」と託した。