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  • 興南は持ち前の粘りを発揮したが関東第一に4-5で競り負けた
  • 比屋根は注目の強打者オコエに真っ向勝負を挑み2ランを浴びた
  • 「自分のベストボール。悔いはない」と2年生左腕は前を向いた

 【甲子園取材班】終盤の猛追、あと一歩-。第97回全国高校野球選手権大会で、初戦から2戦連続逆転勝ちの興南は17日、準々決勝で関東第一(東東京)に4-5で競り負け、4強入りを逃した。

興南-関東第一 9回表、関東第一・オコエ(右)に決勝の2点本塁打を浴び、しゃがみ込む興南・比屋根雅也=甲子園

 興南は0-1の二回、1死満塁から1番比嘉龍寿の犠飛と2番仲響生の中前打で2点を奪い、逆転に成功した。

 三、四回に1点ずつ失い、2-3とされたが、七回2死一、三塁、5番城間楽人が中前適時打を放ち、試合を振りだしに戻した。

 エース比屋根雅也は五回以降、追加点を許さない粘りの投球。しかし九回表2死二塁のピンチを招き、それまで完璧に抑えていた関東一の1番オコエ瑠偉に2ランを打たれ、勝ち越しを許した。

 九回裏、興南は1番比嘉のフェンス直撃の左越え二塁打を足掛かりに、3番具志堅大輝の右前適時打で1点差に迫る粘りを見せたが、反撃も及ばず5年ぶりのベスト4進出を逃した。

 ほか東海大相模(神奈川)早実(西東京)仙台育英(宮城)が19日の準決勝に進出した。

 東海大相模は花咲徳栄(埼玉)に4-3でサヨナラ勝ちした。早実は8-1で九州国際大付(福岡)に快勝した。仙台育英は秋田商との東北対決を6-3で制した。18日は休養日。

 【評】関東第一は九回2死二塁からオコエが左越えに2ランを放って勝ち越した。二回に長嶋が2試合連続本塁打。三回に失策、四回は内野ゴロで得点した。先発の田辺は走者を出しながらも粘り、救援の金子は縦の変化球が有効だった。興南は九回、具志堅の適時打で1点差に迫る粘りを見せた。11安打で相手を上回るも、10残塁と攻めきれなかった。

■毎回13K 強気の攻め貫いた

 こん身のインコース低めの直球がはじき返されると、歓声と悲鳴が交錯した。3-3の九回2死二塁、興南の2年生エース比屋根雅也と関東一のオコエ瑠偉との真っ向勝負。投じたウイニングショットは、きれいな放物線を描いて左翼席に突き刺さった。「相手が上だった。自分のベストボールを打たれたので悔いはない」と気丈に語った。

 興南バッテリーは、今大会注目の強打者であるオコエを特に警戒。強気の直球攻めで、無安打2三振の4打席凡退に抑えていた。「逃げて打たれたら後悔する。強気に攻めるだけ」と、九回の5打席目も直球主体で攻めた。

 捉えられた球は125キロの内角低めのストレート。「自分が磨いてきた右打者に対する内角。あのコースをホームランにするオコエ選手がすごい」と完敗を認めた。リードした捕手の佐久本一輝も「彼の最高のボールを打たれたのだから仕方がない」と振り返った。

 この日の比屋根は本来の持ち味を発揮し、今大会一番のピッチング。変化球の制球に苦しんだ鳥羽戦の反省を生かし、打者の内角を強気に攻め、毎回の13三振を奪った。「変化球で三振も取れたし、最高の投球ができたと思う」と、悔いなしの表情だった。

 春夏連覇のエース島袋洋奨(現ソフトバンク)に憧れる2年生左腕は「4強入りを逃したのは自分の力不足。この悔しさを晴らすには勝ち続けて、またここに戻ってくるしかない」。再び聖地に戻ってくることを宣言した。(花城克俊)