「すごい粘り」「諦めない勇気もらった」。興南高校が関東第一(東東京)に1点差で惜敗し、5年ぶりの4強入りを逃した17日。甲子園球場の一塁側アルプス席では逆転勝利を信じていた大応援団が最後の1球まで大声援を送り続け、選手らを鼓舞した。那覇市古島の興南高校体育館には約350人が詰め掛け、全員が祈る思いで大型スクリーンにかじりついた。

7回裏、城間楽人の同点適時打に沸く興南のアルプススタンド=阪神甲子園球場

9回に1点差と詰め寄り歓喜に沸く興南の生徒ら=17日午後、那覇市・同校体育館

7回裏、城間楽人の同点適時打に沸く興南のアルプススタンド=阪神甲子園球場 9回に1点差と詰め寄り歓喜に沸く興南の生徒ら=17日午後、那覇市・同校体育館

■諦めない姿から勇気

 先制されるも、逆転、同点、再逆転と手に汗握る一進一退の試合展開。アルプス席の野球部員や保護者会、県人会のメンバーらはサンバのリズムに合わせて興南カラーのオレンジを何度も躍動させた。

 二回に逆転の適時打を放った仲響生選手の母ふみ子さん(53)は「あの子が打つとチームに勢いが出る」と家族みんなで声をからした。大メガホンを手に声を振り絞った野球部3年で応援団長の熱田雅君は「最後まで選手が頑張ってくれた。『ありがとう』と言いたい」と目を真っ赤にはらし、声をつまらせた。

 応援席には5年前に春夏連覇を果たした世代のOBらも駆け付けた。看護師になった幸良倫さん(23)=うるま市=は「逆転できると信じていた。最終盤の粘りはすごかった。いい刺激と元気をもらった」と話した。

■選手の成長実感

 九回裏2アウト、長打があれば同点、またはサヨナラもあり得る場面。興南高校体育館では、最後の打者が三振に倒れると、泣き崩れる女子生徒も。それでも「執念を見た」「最高の試合だった」とナインをねぎらう声が聞かれた。

 滑り出しから三者三振と好調の比屋根雅也投手に「すごすぎて鳥肌が立った」と最前列で声援を送った同校2年の玉城秀隆さん(17)。「4点返せたのも興南の粘りがあったから。心臓の高鳴りが止まらないくらい良い試合だった」と額に汗をにじませた。

 5年前に春夏連覇した当時の主将の我如古盛次さんの母みよりさん(44)も駆け付けた。「1戦1戦強くなっていく選手たちが頼もしかった」と話した。同校2年の大城莉々香さん(16)は敗れた瞬間、手で顔を押さえ涙した。「悔しい」と興奮冷めやらぬ様子だった。