実態を把握しにくい米軍基地内の環境汚染問題の解決に向け、県環境政策課は18日、環境調査ガイドライン(対応方針)の具体的な策定作業に入った。基地起因のあらゆる汚染に対応する基礎資料として、返還後を含む県内全ての基地を対象に、土地の使用履歴をデータベース化する「カルテ」も作る。米軍の情報公開が十分でなく、後手に回りがちな基地内汚染の対策に県の関与を強める狙いがあり、2017年度にも実用化を目指す。

ダイオキシン類を含むドラム缶の発掘調査のため、掘削されたくぼ地に濁水のたまる作業現場(沖縄・生物多様性市民ネットワーク提供)=16日、沖縄市サッカー場

 宜野湾市内で18日にあった県の「米軍施設環境対策事業検討委員会」(府本禮司委員長)で、ガイドライン素案を議論。

 沖縄は石灰岩の地層が多く土壌や地下水汚染があれば広範囲に及ぶため、地下水・土壌対策に特化した専門部会も新設した。次回委員会は12月に開催される予定。

 県は(1)運用中の基地(2)返還・引き渡される基地(3)返還された跡地-の3段階に分け、汚染調査から浄化、事後モニタリングまでのガイドラインを策定する。

 嘉手納基地跡地の沖縄市サッカー場では高濃度汚染のドラム缶が発掘されたが、ガイドラインがないため手探り状態が続いている。

 カルテは、返還が予定される嘉手納以南の基地を優先的に作成する方針。県民への聞き取りや、米国立公文書館の文献調査を基に弾薬や化学物質の取り扱い、廃棄物の処理状況など土地の使用履歴を類推し、GIS(地理情報システム)に落とし込む。