那覇市の繁多川公民館が、離島など遠隔地出身の高校生の下宿先として、地域の高齢単身世帯につなげる事業に取り組んでいる。夏休み期間中の1カ月間、実験的に実施し、次年度以降、年間事業にする考え。下宿する生徒や受け入れ住民からは「部活に集中できる」「誰かが家にいるので楽しい」と、評判は上々だ。(渡慶次佐和)

大家の新垣さん(左から2人目)を囲み、昼食をとる沖縄工業高の生徒たち=14日、那覇市繁多川

 事業は、離島など遠隔地から進学する高校生への支援と、地域で独り暮らしをする高齢者の社会交流を目的に同公民館が企画。来年度実施へ向け説明会を開いていた中で、近隣の沖縄工業高から、学生寮が閉寮になる、夏休み中の生徒の受け入れ要請を受け、7月末からモデルケースとしてスタートした。

 今回、駅伝部の生徒6人を受け入れた新垣佳代子さん(67)は子どもたちが自立し、5年前に夫を亡くした。「1人では家が広くて寂しかったが、誰かと一緒に暮らすと楽しい。何かの形で地域貢献もしたかったのでうれしい」と目を細める。

 基本的に3度の食事は新垣さんが作り、掃除や洗濯は各自で行う。光熱費を含む下宿費用は生徒の負担を考慮し、学生寮とほぼ同額。また、食費は1食ごとに270円を支払う。生活する上でのマナーなどは、同公民館が双方を交えてルールを決め、保護者や同校教員と誓約書を作成した。

 与那国島出身の古見謙太郎君(15)は「おばあちゃんの家みたい。ご飯がおいしくて毎食楽しみ」と笑顔。昨年は学内の施設で夏休みを過ごした親泊一生君(17)=宮古島出身=は「去年と違って思いっきり部活に集中できる。今年も優勝を目指したい」と話した。

 生徒たちは後片付けのほか、台風対策も率先してこなす。新垣さんは「自分では手が回らない箇所までやってくれて、とても助かった」と感謝する。同公民館の南信乃介館長は「互いに支援し合える形が理想。課題や改善点を探りながら、継続していきたい」と話した。