【宮古島】宮古島産カボチャの収量を上げるため1株から2果を収穫する「2果獲(と)りプロジェクト」に取り組んでいる宮古島市平良の農業、宮平浩幸さん(27)が9月2、3日に宮崎県で開かれる九州地区の青年農業者の会議に出場し、プロジェクト発表する。昨年11月の県大会で最優秀賞に輝き九州行きを決定。狙うは全国大会の切符だ。JAおきなわの営農指導員で4年前に病気で亡くなった父・玄良さん=享年55歳=の思いも胸に、島の同世代に伝えたい。「農業って、かっこいいんだから」-。

九州大会での意気込みを語る宮平浩幸さん=宮古島市内の畑

 宮平さんは祖父の畑で、冬場はカボチャ、夏場はオクラやスイカを育て、ハウスでのトマト栽培にも取り組んでいる。モットーは「楽しくてもうかる農業」だ。

 祖父がサトウキビ栽培をしていたこともあり、中学生のころから手伝ってきた。中学時代、自宅の庭に種をまいてスイカを栽培。大きな実がなると、きょうだいに自慢し豪快にほおばった。

 「面白い。俺に合うな」。将来は農家になろう。目標が明確になった。

 県立宮古農林高卒業後、滋賀県の園芸専門学校を経て島に戻った。2年間農園で下働きし、祖父らの畑を借りて独立した。

 「2果獲り挑戦」はカボチャ生産で有名な南風原町津嘉山を視察したことがきっかけだ。宮古島市はカボチャの拠点産地に認定されているが、市での10アール当たり収量は平均で約600キロ前後と低いことが気になっていた。

 県の農林水産振興センターなど関係機関の協力で2年前の11月にプロジェクトをスタートさせた。

 栽植法を試行錯誤し、品質や労働時間や収益性などを比較。1年目から平均の約2倍、10アールあたり1121キロの収量を達成。2年目は四つの試験区で経費削減を目標にし、一試験区で10アール当たり約2トンの収量を得た。

 これまで黙々と研究を続けてこれたのは、亡き父の存在が大きい。生前、父の玄良さんから「カボチャの2果獲りは宮古でもできるのに」と何度も聞かされてきた。

 「ほらね。できたでしょ」。宮平さんは天国の玄良さんに言ってやりたい。父はきっと酒を酌み交わしながらいろんな人に息子の自慢話をしていただろう、と思う。

 九州大会では普段の作業着ではなく、一張羅のスーツ姿で登壇するつもりだ。「新規就農者も安心して農業できるカボチャ栽培はオススメ。多くの人に『失敗は恐れないで』、って伝えたいんです」と準備も万端だ。

 「農業は『国の源』なんだから」

 玄良さんの残した言葉を胸に宮平さんは今日も畑仕事に精を出す。