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  • 米軍が事前通報せずに津堅島訓練場でパラシュート降下訓練を実施
  • 米軍は「事務的ミスで通報しなかった」と認め、防衛局に謝罪した
  • 県は伊江島以外で同訓練をしないよう、防衛局を通して米軍に抗議

 うるま市の津堅島訓練場水域で、米軍のパラシュート降下訓練が6年ぶりに確認された。沖縄県やうるま市は「事前通報」がなかった点と1996年の日米特別行動委員会(SACO)で合意した「伊江島」とは別の場所で同訓練が実施された点を問題視。翁長雄志知事は21日、日米地位協定が米軍の基地自由使用を認めていることを念頭に「日本側が米軍の運用に何も言えない」と根の深い問題の解決を訴えた。

重い物資をパラシュートで下ろしたとみられ、着水の瞬間に水しぶきが上がった=20日、中城湾

 「事前通報」は、在沖米軍基地の使用条件に関する日米合意「5・15メモ」で米軍に義務付けられている。同水域の使用では7日前までに防衛局へ通告を行うことになっている。

 今回の訓練で、米軍は「内部の事務的なミスで通報できなかった」と謝罪している。ただ、他の演習、訓練を含め、事前通報なしで実施するケースも多い。

 さらに事前通報のある場合でも大半は「一般演習」と明記するだけの簡素な内容にとどまる。県や関係自治体はこれまでも具体的な内容を求めてきたが、米軍は戦闘能力や練度など軍事機密が明らかになるといった理由で後ろ向きだ。

 津堅島訓練場水域は津堅島の西側長さ約2キロの海岸と約6キロ沖までの水域で、訓練中でも使用を妨げない限り、漁業や船舶の航行に制限はない。5・15メモでは水陸両用訓練に使用するとされ、「パラシュート訓練」には触れていない。

 この水域での訓練はSACO合意以降7回目で、そのたびに漁業者らは「何も知らない状態で、人や物が空から降りてきたら、重大事故につながる」と声を上げ、うるま市議会は抗議決議を可決している。

 県内では戦後、フェンスがなく、住民が自由に出入りできていた読谷補助飛行場でパラシュート降下訓練が実施され、悲惨な事故が相次いだ歴史がある。1950年に燃料タンク、65年にトレーラーの下敷きになり、いずれも幼い子どもの命が奪われている。

 96年のSACO最終報告で、同訓練は読谷から伊江島に移転することで合意。県は「伊江島」以外で実施しないよう再三要求しているが、米軍は伊江島の天候不良などを理由に、少なくとも嘉手納飛行場で7回、キャンプ・シュワブ沖で4回、津堅島沖で7回実施したことになる。

 県幹部は「通常とは異なる場所で、しかも事前通報なしにパラシュート降下訓練があれば、県民の不安が増大する。米軍の都合が優先されている」と話した。