冷戦時代に、貧困や差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」と定義した平和学の第一人者のヨハン・ガルトゥング博士が22日、19年ぶりに来県した。浦添市てだこホールでは「『積極的平和』と沖縄」と題した講演会(主催・新外交イニシアティブなど)を開いた。

「積極的平和と沖縄」について講演するヨハン・ガルトゥング氏=22日午後、浦添市てだこホール

 ガルトゥング氏は欧州連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)などを例に、日本や中国、韓国、北朝鮮、ロシア、台湾の6カ国・地域で北東アジア共同体をつくり、本部を沖縄に置くべきだと提言した。

 ノルウェー出身のガルトゥング氏は1959年に世界初の平和研究機関「オスロ国際平和研究所」を創設した。世界各地の国家間、宗教間紛争調停に携わっている経験を踏まえて「全ての関係者と対話し、それぞれの理想像を聞きながら、アイデアを生み出す必要がある」と述べた。尖閣諸島や竹島の解決策として、日中や日韓の共同管理の必要性を繰り返し唱えた。

 また辺野古新基地建設をめぐる沖縄と日米の対立解消について、ジンバブエが英国から独立した経緯などを紹介しながら「大きなビジョンを描くことと、小さな一歩は矛盾しない。対話を重ねて相手の長所を見つけ、それをベースに関係を築く努力が大事だ」と述べた。