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  • 猛威を振るった台風15号。石垣市で最大瞬間風速71mを記録
  • 八重山では119番通報が集中し、救助の手が回らない状態に
  • 家屋を破損した男性は「2時間以上待った。死ぬかと思った」

 【八重山】激しい風雨が窓ガラスを割り、車を軽々と吹き飛ばす。八重山諸島を23~24日未明にかけて襲った非常に強い台風15号は、県内6番目となる最大瞬間風速71・0メートルの“爆風”を伴い、人々の生活を破壊した。23日夕以降はけが人や家屋破損で119番通報が集中。一時は助けを求める人々に対応しきれない状況となった。住民らは「死ぬかと思った」と恐怖の一夜に顔をこわばらせた。

電柱の真ん中部分から折れた信号機=午前11時15分、石垣市登野城(新崎哲史撮影)

 23日午後6時から強まった暴風は、約5時間にわたり吹き荒れた。民家のガラスが次々に割れ、停電で暗闇の中、住民は消防や警察に救助要請した。

 避難住民はそれまでの22世帯から、5時間の間に44世帯と倍に。被害が集中したため消防や警察が対応に追われ、救助の手が回らない状況となった。

 自宅の窓ガラスが半分以上割れ、家族4人が消防隊員に救助された男性(63)は「消防が来るまで2時間以上待った。その間も風がますます強くなり死ぬかと思った」とこわばった表情。

 石垣市大川では、2メートル四方の貯水タンクが強風で飛ばされた。隣に住む﨑山寛祐さん(65)は「ドーンとすごい音がして外に出ると、タンクが風にあおられていた。警察に通報したが『手いっぱいで対応できない』と言われ、不安だった」と語った。

 新川のホテルではレンタカー7台が吹き飛び、大阪府の志茂坂さん(56)は「停車していた場所から20メートルも飛ばされている」とあぜん。浜崎町のホテルでは二つの入り口が暴風で吹き飛び、流れ込んだ風で屋根が崩落した。支配人は「ものすごい音の後、次々と屋根が落ちた」と驚いていた。

 登野城漁港では漁船と大型のダイビング船2隻が水没。漁船の持ち主の男性(75)は「夜見に来ると沈没しそうだったので立て直そうとしたが、風と波で私の命も危なかった」。また度重なる台風に苦しむサトウキビ農家の大嶺浩一さん(63)は「茎の上が折れたものが多く、糖度も収量も下がるだろう。どれほどの被害なのか…」と声を落とした。