沖縄県森林組合連合会(会長・稲嶺進名護市長)は、県産木材を使った食器を観光客向けの土産品として商品化、県内のホテルと連携して販売につなげる取り組みを始めた。リュウキュウマツなどを原材料に、丼や汁わんなど数種類の食器を年内に製作、年明けから沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパなどで使用し、利用者の声をモニタリングする。2016年度以降は観光客に向けた土産品として試験販売を目指す。(久高愛)

県産木材を使った食器。手前右から二つがリュウキュウマツ、手前左がエゴノキ、奥がガジュマル

 県産木材の雑貨を観光業と連携して県外客向けに販売するのは初めて。

 事業は県の県産材新規用途導入促進事業の一環で、県産材の利用拡大が目的。木材の収穫伐採量のほぼ全量を担う国頭村と名護市の木材のうち、商品として供給可能な量が採取できるイタジイ、センダン、クスノキ、エゴノキ、リュウキュウマツの5種を使う。

 県森林組合連合会が製作、沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ、やんばる学びの森、道の駅ゆいゆい国頭のレストランなどで使用される。販売に向けた価格設定は、モニター調査を通じて検討していく。

 県外では住宅建材としてスギ、ヒノキが主流。沖縄の木材は台風の影響などで木が大きく伸びず、まっすぐ育たなないといった特徴から建築材には適さない。一方、亜熱帯地域で多種多様な木材が採取できる。素材によって木目がきれいに出て、軽くて独特の色が出ることから工芸品として付加価値は高い。県花としてなじみの深いデイゴは軽さが特徴で、おもちゃとして利用できる可能性を秘めている。がじゅまるは木目の美しさから食器などで活用が可能だ。

 1990年に1794戸だった県内の林業事業体数は、2010年は864戸まで落ち込んでいる。また、12年の林業産出額の割合をみると県内の木材生産は6%、栽培きのこ類が88%で木材の利用は広がりに欠けている。県外は木材生産が49・3%、栽培きのこ類が49・7%。

 同連合会の上里均専務代表理事は「県産木材を観光土産として販売することで、県木の利用拡大と技術者の育成にもつなげたい」と林業への波及効果に期待を込めた。

 かりゆしの當山智士社長は「沖縄観光は活況だが、市場に目を向けると県外産や海外産の食物や土産物が多い。観光と製造業が連携した“観光製造業”の考えを推進して経済を盛り上げていくことが重要だ」と話した。