沖縄県内大手の産業廃棄物処理業者「倉敷環境」がごみの受け入れを停止した11月20日以降、米軍基地のハウジングエリアなどで出される一般廃棄物が行き場を失い、基地内に一時保管せざるを得ない事態が続いている。米軍の要請を受けて首相官邸が解決に乗り出すなど、政治問題の様相も呈してきた。

米軍基地の住宅区域に貯まっている家庭ごみ=12月7日、米軍キャンプ瑞慶覧

 基地内で出る家庭ごみなど一般廃棄物は現在、焼却処理先が見つからないため、読谷村の嘉手納弾薬庫など少なくとも基地内2カ所にためられている。

 複数の関係者によると1日40~50トンが一時保管所に運び込まれ、同社がごみの受け入れを停止したこの2週間で小学校の25メートルプール約2・5杯分に当たる約800トンにまで膨らんだ。飛散防止対策はしているが生ごみ中心のため、保管所内は害虫や悪臭が日に日にひどくなっているという。

 各米軍基地の部署の責任者は部下に対し、なるべくごみを出さずにリサイクルをするよう指示。だが米軍関係者は「数カ月もたたずに満杯となる。別の保管所を用意しなければならない状況」と焦燥感を募らせる。

 政府関係者によると米軍は外務省に対し、米軍関連ごみの処理問題を解決するよう訴え始めている。同省関係者は「米軍と地元自治体の間は通常、沖縄防衛局が取り持っている。こちらに話が直接来るのは米軍が相当困っているということだ」と解説する。

 別の関係者は「北朝鮮や尖閣諸島問題で大変な時なのにと、外務、防衛、環境の3省に対し、何とかするよう官邸から圧が来ている」と声を潜める。県を飛び越え、各省の担当者が焼却処理施設を所有する各市町村に受け入れを直接働き掛ける事態も起きている。

 国内法令に沿った分別がされず、一部を除いて県内市町村の焼却施設が受け入れを避けてきた米軍関連ごみ。他の都道府県には焼却を請け負う市町村もあるが、県内は倉敷環境が中心に受け皿となってきた。県幹部は「最大懸案の一つ。慎重に、慎重に対応している」と言葉少なに語った。