沖縄県アジア経済戦略構想策定委員会(会長・富川盛武沖縄国際大教授)は27日、県庁で会合を開き、「航空関連産業クラスターの形成」など重点戦略5項目、産業成長戦略4項目などを盛り込んだ構想をまとめる大詰めの協議を行った。9月4日に最終会合で構想を決定し、同月中旬までに翁長雄志知事に答申する。翁長知事は県議会9月議会で構想を説明し、来年度の事業にも反映する方針だ。 

県アジア経済戦略構想の重点項目

 これまでの会合で、重点戦略は市場や経済効果の大きさ、実現性などを踏まえて、(1)国際物流拠点(2)航空関連産業(3)観光リゾート(4)国際情報通信拠点(5)ものづくり産業-の5項目の推進に決定。重点戦略の次に促進を目指す産業成長戦略に「農林水畜産業」など4項目を盛り込むことを確認している。

 戦略を推進するために、海と空と陸を途切れなくつなぐシームレスな交通体系の連携や、沖縄への観光やビジネスの窓口、ウェブサイトを一元化する「コンシェルジュ沖縄」の構築、アジアへ進出する企業の支援拠点形成、規制緩和、人材育成などを掲げる。

 交通体系では、鉄軌道の敷設を盛り込み、観光客やクルーズ船利用者が那覇から本島北部までアクセスできる体制を目指す。また、県が掲げる2021年度の観光客数1千万人の早期達成の可能性にも言及。達成後の新たな目標設定などの検討も指摘する。

 27日の会合は規制緩和の検討を取り上げ、貨物や旅客の国内運送を日本船舶のみに限定している「カボタージュ規制」の緩和や、外国人医師による医療行為、オンラインビザ申請の導入なども議論した。構想の反映状況や事業進捗(しんちょく)を検証する委員会の設置も検討する。

 富川会長は「予算があればすぐに実現できる事業や、国の政策と連動させ長期的に取り組む戦略もある。最終会合までに詰めていきたい」と語った。同構想の策定は、翁長知事が掲げた重点公約の一つ。県政策参与の富川会長ら委員が2月から8月27日までに22回の会合を重ね、中国やベトナム、シンガポールなどを視察し、策定を進めている。