石垣島を中心に22日から24日にかけて沖縄県内に被害をもたらした台風15号は、フィリピン近海でいったん勢いを弱めたものの、沖縄気象台の予測に反して先島諸島近海で再び勢力が復活。猛烈な暴風となって島を襲った。近年は気象衛星やレーダーの性能が向上し、台風の「進路」予測の精度は上がった。だが発達具合を左右する海水深部の水温把握は難しく、中心気圧や風速など「強度」予測の精度はなかなか上がらない。(社会部・東江菜穂)

台風15号の進路と勢力

■急転の警報発令

 15号は19日、中心気圧935ヘクトパスカルの「非常に強い」勢力だったが、22日には950ヘクトパスカルで「強い」に弱まった。しかし翌23日、石垣島地方付近で940ヘクトパスカルまで発達。再び「非常に強い」台風になった。

 沖縄気象台は23日午後7時54分の段階で「本島には暴風警報を発令しない見込み」との認識だった。だが予測よりも発達し、暴風域が広がったことから24日午前5時14分、本島に発令。担当者は「八重山付近の海は、黒潮の影響で深い部分まで水温が高くなっており、予測以上に台風を発達させた」と説明する。

 一般的に、台風は水温28度以上の海水の影響を受けて発達する。NPO法人沖縄台風研究会の会長で、琉大名誉教授の石島英さんは15号を「暖かな八重山近海をゆっくり北上しながら発達した」と説明。強い西風に押されながら、先島諸島や沖縄本島地方を暴風域に巻き込んだ。

 台風の強さは、専門家の間でも予測が難しく、「強度問題」と呼ばれ課題の一つに挙げられる。ここ10年で、沖縄気象台の台風予想は「進路」の精度は向上したが、「強度」は変わらずだ。衛星から送られてくるデータでは水深の深い部分まで観測できないのが要因の一つだ。

 台風通過後の衛星データで、強風が海をかき混ぜても温度が下がっていなかったため「内部水温が高かった」と、事後的な判断にとどまるのが実情だ。担当者は「データ不足は認識しており、日々、試行錯誤している」と力を込める。

■進路予測ピタリ

 15号は二つの高気圧に挟まれ、フィリピン近くでほぼ直角に曲がる珍しい進路をたどり、石垣市登野城で最大瞬間風速71・0メートルの記録的暴風を吹かせた。

 石島さんは「台風は中心に近い東側で雨風が強くなる。そこが石垣島地方に直撃した」と分析しつつ、進路については「気象庁は早い段階からよく予測した」と評価した。