サッカーJ2「ツエーゲン金沢」クラブ職員から転じて、沖縄県久米島町の移住相談窓口「島ぐらしコンシェルジュ」で働く女性がいる。沖縄県豊見城市出身の上江洲幹子さん(25)。畑違いに見えるが、地域づくりを探る点は同じ。ことし4月、島出身の父、祖母と3世代で移住。住んで感じた「球美の島」のぬくもりを移住希望者に伝えている。(南部報道部・堀川幸太郎)

(左から)久米島生まれの父・上江洲教正さん、祖母・シズ子さんと島に移り住み、移住相談窓口で働く幹子さん。兄・教平さんも夏から移住した=11月30日、同町仲泊

 幹子さんは金沢大学を卒業して約2年間、クラブで営業、グッズ販売、広報を務めた。勝敗や試合展開がファンの心を揺さぶり、選手が交通安全を呼び掛ければ子どもも大人も耳を傾けるクラブ。「地域の象徴的な存在があれば、まちづくりは進む」と感じた。

 久米島の象徴的なものは何か。幹子さんは「約8千人の島の人付き合い。何万人もいるわけではないので遠すぎず、近すぎず、温かい」と語る。自然の豊かさなどとともに30~40代、60代の関東圏の人々が多い移住希望者に売り込む。

 大学でも沖縄で役立てようと地域づくりを学んだ。昨年9月、久米島で移住相談窓口を担う求人を見つけて転職を決めた。同じころ豊見城市にいた父・教正さん(64)も、生まれ島で働かないかと誘われた。故郷を離れて過ごす時間が長くなっていた祖母・シズ子さん(89)も帰郷を望み、3人で島に「里帰り」した。

 教正さんは久米島商工会事務局長。「娘が呼び込んだ人も元気に働けるように島を盛り上げたい」と家族で頑張る。

 那覇市のタイムスビルで開催中の「久米島町 観光・物産と芸能フェア」では10日、移住相談ブースを設ける。幹子さんは「県外から本島、さらに離島に移り住む人もいる。久米島のよさを伝えたい」と話した。