沖縄労働局は28日までに県内で2014年に発生した業務上疾病の状況を公表した。けが以外の疾病で4日以上休業した労働者100人のうち、「腰痛」が63人を占め、統計を取り始めた1989年以降最多となった。昨年より5人増え、10年前に比べほぼ倍増した。全てが荷物の上げ下げなどが原因の「ぎっくり腰」。最も多いのは介護士や看護師などの保健衛生業で全体の約4割を占めた。

業務上疾病者数の推移

 業務上疾病全体でも前年より14人増え、復帰以降では73年の110人に次いで過去2番目に多かった。沖縄労働局は増加の要因に、経済状況の改善に伴う雇用の増加で、疾病予防に対する指導や注意喚起が十分に行き届いていなかったことを挙げている。

 腰痛の原因には、医療や介護の現場で患者らをベッドや車いすから抱えて移動する際、中腰の体勢で腰を痛めたケースが多い。

 沖縄労働局は対策に向けて、昨年度から「腰痛予防アドバイザー事業」を実施している。腰痛の発生の多い介護・医療事業などの職場へ理学療法士を派遣し、職場での作業方法の改善や予防に向けたストレッチなどを無料でアドバイスしている。全国初の取り組みで、昨年度は25回行った。

 腰痛予防アドバイザーで産業分野の理学療法士の山内義崇氏は、全国的に医療や福祉現場での腰痛が増えていると指摘する。国は13年に改定した腰痛予防対策指針の中で腰痛発生の多い作業に新たに「福祉、医療分野等の介護・看護作業」を挙げるなど、保健衛生業の現場での腰痛は深刻になっている。

 山内氏は「これまで職場の産業医が健康管理の部分では支援できたが、腰痛が発生する作業環境の管理までの指導は十分にできていなかった」と強調。「腰痛は企業と労働者双方にとって経済的損失が大きい。企業は腰痛予防に今後どう対応していくか考えていかなければいけない」と語った。

 業務上疾病の主な内訳は、いわゆるぎっくり腰と呼ばれる「災害性腰痛」が63人、次いで負傷による破傷風などの細菌性疾病が16人、熱中症などが10人、そのほか11人。

 業種別では、保健衛生業が最も多く32人、次いで商業・金融・広告業の20人、運輸交通・貨物取扱業10人、接客娯楽業9人、建設業8人、製造業4人、そのほか17人。

 腰痛予防アドバイザー事業に関する申し込み・問い合わせは沖縄労働局健康安全課、電話098(868)4402。