安全保障関連法案に反対する集会が国会近くで開かれ、主催団体の発表で約12万人が集まった。雨の中、過去最大規模の人々が国会議事堂を取り囲んだ。

 市民らが共有する危機感の表れであろう。参加者は「今すぐ廃案にせよ」「9条を守れ」などと声を上げ、安倍政権の退陣を求めた。

 安保法案に反対するグループは、学生、法曹、学者、大学有志の会、ママの会など世代や立場を超え、広がった。

 廃案を目指す共通の目標を掲げながら活動していたが、一つにまとまった形だ。

 これだけの人が主権者としての意思を直接表明した意義は画期的だ。

 与党は9月11日にも参院での強行採決を目指していたが、流動的な要素が出てきた。集会は審議にも影響を与えずにはおかないであろう。

 安保法案は、日本を「専守防衛」から「戦争のできる国」へと大転換するものだ。だが、国会審議が進むにつれて明らかになってきたのは、政府答弁の目を覆わんばかりのほころびの数々である。

 それは今国会成立に反対する人は62・4%、賛成は29・2%という共同通信社の世論調査の結果が示している。

 この日は全国200カ所以上で、集会やデモが開かれた。県内でも夕方から那覇市・与儀公園で約2500人(主催者発表)が参加して集会が開かれた。

 結成されたばかりの「シールズ琉球」も加わった。集会の後、国際通りをデモ行進し、廃案を訴えた。

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 県内の特徴は集会の名称に表れているように、安保法案の「廃案」だけでなく、辺野古新基地建設の「断念」を盛り込んでいることだ。安保法案と辺野古新基地建設問題をセットとみているからだ。

 安保法案は米軍と自衛隊が一体化し、集団的自衛権の行使を可能にする。それを具体化するのが辺野古新基地と捉えているのである。

 一方、政府は、安保法案と辺野古新基地建設問題がつながり、反対運動のうねりが大きくなることを警戒しているに違いない。

 安保法案の審議中に、辺野古新基地建設に関連して翁長雄志知事の「承認取り消し」の判断が示されれば、安倍政権は二つの大きな問題に同時に直面することになり、対応することが困難になる。

 政府が1カ月間、辺野古新基地に関する作業を中断し、集中協議の期間に充てることを県に提案したのはこのためだ。ただ菅義偉官房長官に辺野古見直しの考えはない。

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 第4回集中協議で来県した菅氏は、米軍北部訓練場の過半の返還条件であるヘリパッドの移設問題を抱える東、国頭両村長と面談。返還後の北部訓練場の世界自然遺産登録などの要請を受け、翁長知事に対し移設の協力を求めた。

 名護市と那覇市を除き、先の知事選で前知事を支持した9市長でつくる「沖縄の振興を考える保守系市長の会」とも面談。普天間の危険性除去-などの要請を受けた。

 菅氏の行動からは翁長知事に揺さぶりをかけ、分断する狙いがあるとしかみえない。