不法投棄の疑いで営業できなくなった沖縄県内大手の産業廃棄物処理業者「倉敷環境」が処理していた産廃の新たな処分先を巡り、他の産廃処理業者の処理容量に余裕があるにも関わらず、持ち込みが進まない「ミスマッチ」が生じている。倉敷環境では不要だった分別のコストが発生し、処理運搬業者らが新たな金銭負担を渋っているためだ。分別をしない混合廃棄物として県外搬出を検討する業者もいる。県は「安かろう悪かろう」の産廃処理を断ち切る転換点にしたい考えだが、先行きは不透明だ。(社会部・篠原知恵)

産廃処分業の許可が取り消された倉敷環境が、受け入れ積み上げてきたごみ山(後方)

 倉敷環境が営業を停止した11月20日以降、同社の関連会社で産廃処理業者の「環境ソリューション」には産廃持ち込みが殺到し、処理が追いつかず順番待ちが続いている。だが、最大の受け入れ先に想定された「琉球セメント」(浦添市)の受け入れ量に大きな変化は出ていない。県産業廃棄物処理協会によると、他の処理業者も受け入れは増えていないという。

 ただ、各業者に問い合わせだけは相次いでいる。ある処理業者は問い合わせが倍増したが、実際に持ち込まれるケースはほぼない。この処理業者は「ベッド1つとっても解体してスプリング、スポンジ、木くず、繊維くずに分別してもらう。倉敷環境に分別せずに持ち込んでいた業者からは、逆にクレームを言われている」と明かす。

 分別をしない混合廃棄物として県外に運ぶ可能性を模索する動きもある。廃棄物を船で県外に運搬する処分業者にも問い合わせが増えているという。

 業界関係者は「業界全体で様子見が続いている。敷地内にとりあえず産廃をためてているが、繁忙期の年末が迫れば、そうもいかない」と焦燥感を募らせる。

 県議会でも産廃処理に関する質問が相次いでいる。11日の一般質問で、県環境部の大浜浩志部長は倉敷環境について「分別されていない廃棄物を低価格で過剰に受け入れたため、適正な処分ができず『ごみ山』を生じさせた」とし、今後はごみの排出事業者にも、分別コストの負担に理解を求める方針を示した。金城努氏(公明)への答弁。

 県関係者は「県内の企業は、倉敷環境のせいで本来必要な分別をせずに済んできた。もうそうはいかないことを、地道に訴えていくしかない」と話した。