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  • OISTの新竹教授が小型プロペラによる波力発電に成功した
  • 1.8mのプロペラを浅瀬に設置。1基で25世帯分の出力と試算
  • 実用化すれば小規模な離島の電力を賄うことができるという

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の新竹積(つもる)教授が小型プロペラによる波力発電に成功し、特許を出願している。本年度で発電量などのデータを収集し、来年度以降、沖縄県と実用化へ向けて実証実験したい考え。新竹教授は「実用化すれば小規模な離島の電力を賄うことができる」と話す。発電装置は関連企業と連携して県内で製造し、新たな産業につながる可能性もあるとしている。(大城大輔)

発電に成功した波力発電機(左)の説明をする新竹積教授=恩納村谷茶・沖縄科学技術大学院大学

波力発電のイメージ

発電に成功した波力発電機(左)の説明をする新竹積教授=恩納村谷茶・沖縄科学技術大学院大学 波力発電のイメージ

 波力発電は国内外で開発が進められているが、資源エネルギー庁などによると少なくとも国内では実用化の例はない。発電効率が悪いことや、沖合に設置する仕組みが多く、装置やコストに課題があった。

 新竹教授は2012年から黒潮のゆっくりとした流れを利用する「海流発電」を研究。風力発電同様、直径80メートルのプロペラを海に沈めても、原子炉1基分の出力に300基を要し、実用化に20年は必要だった。

 そこで、今年6月、直径80センチのプロペラを付けた発電装置を恩納村の浅瀬に設置。打ち寄せる波を捉えてプロペラが回り100ワットの波力発電に成功した。

 実用化に向けては、直径1・8メートルのプロペラで、台風にも耐えられるよう車のタイヤに使うゴム製の素材を使い、波を効率よく捉える形状にしている。海岸の消波ブロックなどに設置することで、発電コストは風力発電の約5分の1に抑えることができる。

 新竹教授の試算では1基で一般家庭の25世帯分の電力に相当する25キロワットを出力できる。40基で、80メートルプロペラの風力発電1基分に相当する。

 沖縄では、ほぼ1年中安定的に発電することが可能という。新竹教授は「海に囲まれた日本や沖縄は適した環境。県内で製造し、県外へ出荷する沖縄の産業にしたい」と話した。

 OISTは1日で2012年の開学から満3年を迎えた。