労働条件通知書に書かれた業務内容は「言われた事を何でもやる」だった。「月給25~30万円」「支店長候補」「社保あり」。求人誌には太陽光関連の在京企業の魅力的な条件が躍っていたが、待っていたのは行動チェックや賃金未払い、辞職の強要だった。

 「おまえ、サボっていただろう。給料は引いておく」。東京本社にいるはずの社長のげきに、沖縄支店のある従業員は縮み上がった。席を外したのは、たった30分。郵便局に書類を届けるという業務の一環だった。

 その日は一人勤務で、職場の3台のカメラでチェックされていたとしか思えない。「防犯用」(社長)と言うが、元従業員たちは「従業員の監視用」と口をそろえる。

 元従業員の間で「最も長く働いた」とされる人で半年。試用期間の更新を繰り返されたあげく「自己退職すれば1カ月分の給料を余計にあげる」と言われ、辞職に追い込まれた。

 「解雇せず辞職の形を取らせる。確信犯ですよ」。数カ月働き、正社員への昇格を求めると、本社社員に「じゃあ辞めるか」と切り出された男性は吐き捨てる。会社には「元社員」からの未払い賃金催促や、労働基準監督署からの問い合わせが繰り返し来るため、不安を感じ、辞めた従業員は少なくない。

 現地採用の従業員が、本社の社員から指示される仕事は雑用や周辺業務ばかり。元従業員は「何をやっているのか見えない会社でした」と振り返る。

 退職時に賃金を減額され、支払い前に受領書にサインさせるのは「泣き寝入りを誘う常とう手段」(元従業員)。サインした男性は「そうしないと、いつまでも一銭も入らない」と語るが、会社側は「納得したからサインした」と、問題はないとの認識だ。

 未払い賃金を求めた元社員に、本社の社員は言い放ったという。「辞めたら敵だから」。

■会社HPでは「沖縄のため」 

 会社のホームページには「事業方針」として、沖縄支店を開設する社の考え方が記されている。経済が好調な県内に進出し「沖縄のための活性化を図りたい」とうたう。米軍普天間飛行場の移設問題や尖閣諸島問題なども列挙。「今後の普天間問題合わせた沖縄バブル経済の到来」と位置付けた上で、「環境に優しい太陽光発電の未来を沖縄に求める」としている。