「職員の自覚不足」「意思決定の重圧から逃げた結果」。沖縄市内の小学校の給食に調理器具のスライサーの刃の一部が混入した問題で、沖縄市教育委員会のトップが記者会見で語った人為的ミスの原因だ

▼耳を疑うような内容に愕然(がくぜん)とする。刃の一部が混入した可能性を知りながら、給食を止めなかったことに「迷いがあった」「逃げた」との釈明は納得しがたい

▼子どもの命に直結する問題だけに、危機管理意識が甘いという次元では済まない。そもそも必要な業務がなされなかった背景や職場環境、作業工程、体制面を含めた検証も必要だろう

▼全国では給食の異物混入があった自治体などが独自で再発防止の指針を策定している。奈良県生駒市は問題発覚から約2カ月で作成。研修にも活用するなどし、担当者は「速やかな連絡体制がとれるようになった」と話す

▼沖縄市教育委員会は再発防止策に、調理器具の管理体制の強化や独自のマニュアル作成などを挙げる。実効性を伴うためにも具体的な取り組みの進捗(しんちょく)状況を明らかにすることも求められる

▼2009年に施行された改正学校給食法により「食育」にも重点が置かれてきた。食の安全、大切さを伝える側の教育行政が揺らいでは、元も子もない。市教委は教育行政の根幹にかかわる問題として再発防止に取り組むべきだ。(赤嶺由紀子)