沖縄県名護市安部の海岸にオスプレイが墜落してから13日で丸1年。現場近辺のリーフでは細かい機体の残骸が見つかり、回収作業が続く。集落周辺を昼夜飛ぶ米軍機は以前と変わらない。「何を訴えてもしょうがない」。辺野古新基地の埋め立て着手、軍事強化が進む現実に住民の間にはやりきれなさが募る。

海岸から墜落現場を望む砂浜。釣り人が糸を垂らしていた=12日午前11時すぎ、名護市安部

◆変わらぬ飛行

 「この1年? どうってことはないですよ」。12日午前、安部集落で自宅の庭の手入れをしていた女性(65)は作業の手を止めて答えた。昨年同様、12月に入り夜間騒音は増えている。「何言っても米軍は聞かないでしょ。もう諦めというかね」。

 畑仕事をしていた別の女性(75)は「12月13日は忘れない。いつまた落ちるか、本当に心配している」と不安を口にした。

 政府は4月、辺野古新基地の護岸工事に着手し現在3カ所で建設を進めている。安部集落は新基地の滑走路の延長上に位置。上空を米軍機が今以上に飛び交い、また「不時着」場所に安部が“選ばれる”のではないか-。

◆約束守られず

 在沖米軍トップが事故直後、住宅地を避けた「不時着」に「感謝されるべきだ」と発言したことは、今も住民の不安を強くかき立てている。

 當山真寿美区長は「米軍は口だけという思いを強くした1年だった」と語る。米軍機の飛行ルートを沿岸から沖合に変更する約束だったはずだが、それが守られていない。基地が造られた後を考えると気がふさぐ。「区民が何を思い、将来をどう考えているか、一度集めて話し合いたい」。今思いつくのはそれだけだ。(北部報道部・城間陽介)