沖縄は全国一公的保育所が足りない県だが、放課後児童クラブ(学童保育)も全国一不足している。

 県の実態調査によると、共働きやひとり親家庭の小学生を放課後に預かる学童保育に希望しても入れなかった待機児童が2017年5月1時点で848人に上った。調査を始めた12年以降、最多である。

 働く女性の増加に加え、生活保護世帯などを対象に利用料を軽減する市町村の取り組みが始まり、需要が掘り起こされたことが背景にあるという。

 学童保育の数は前年より30カ所増えているものの希望者増に追い付いていないのは、保育所の待機児童問題と一緒だ。

 手法が異なる全国学童保育連絡協議会の5月1日時点の集計で、沖縄の待機児童は905人と全国6番目に多かった。割合では全国一高い。

 深刻なのは、公表された待機児童が「潜在的待機児童」を含めた実態と大きく懸け離れている点である。

 「沖縄子ども調査」で5歳児の保育利用が約68%だったのに対し、学童利用は約38%と激減していることがそれを裏付ける。「料金が高い」などの理由から、必要なのに利用していない子どもが大勢いるのだ。 

 待機児童や潜在的待機児童となった子どもたちは、放課後をどのように過ごしているのだろうか。1人で心細い思いをしている子がいるのではないか。子どもの生活や安全に不安を抱えながら働いている保護者も多いと思う。

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 ここで触れなければならないのは、沖縄の学童保育の特異な歩みである。米軍統治下で子どもの福祉が後回しにされた影響を今もひきずっている。

 復帰後、自治体主導で保育所整備が進められるが、そこでも学童保育は後回しにされた。奔走したのは預け先が見つからず切羽詰まった親たちで、結果として民間主導の学童が広がっていった。

 全国的に学童保育の設置主体は公立公営と公立民営が合わせて8割ほどに上る。しかし沖縄は民立民営が9割を超えている。

 利用料が本土に比べ割高となっているのは、民間アパートを借りるなど賃料負担が生じているためである。利用料の高さが利用を諦めるという潜在的待機児童を生んでいるのだ。

 安倍政権が進める「幼児教育の無償化」は子育て世代の負担軽減を目的としている。子育て世代への投資というのなら学童問題にも対応すべきだろう。

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 県の子どもの貧困対策推進基金などを活用した利用料軽減の取り組みが一部の自治体で始まっている。貧困対策の一環として生活保護世帯や非課税世帯などを対象としているが、範囲が狭すぎやしないか。

 どの子にも豊かな放課後を保障するため受け皿整備を急ぎ、利用料の応能負担についても議論を進めてもらいたい。 

 長年放置してきた子ども政策の遅れをカバーする踏み込んだ政策投資が必要だ。