【南城】南城市大里稲嶺で、ヨモギ(フーチバー)や長命草(サクナ)、大宜味村産ミカンなど、沖縄の食材を使ったチーズを作るイギリス人がいる。およそ30種類を作るジョン・デイビスさん(67)で、市が購入を勧める「沖縄南城セレクション」にも2商品が認定された。ジョンさんは、「生産者が増え、沖縄が種類豊富なチーズアイランドになったらうれしい」と夢を膨らませている。(又吉健次)

チーズの「サクナ」「ちゅら南城」を手にほほ笑むジョン・デイビスさん(右)、貞子さん夫妻=8月31日、南城市大里稲嶺・親泊牧場

 ジョンさんは、英国ケンブリッジ近郊のキングスリプトン出身。小学校教師を辞め、「行ったことのない国へ行こう」と1976年に来日。東京から移り住んだ札幌市で2004年、同市出身の貞子さん(59)と結婚。貞子さんの退職を機に06年、「暖かい場所」を求めて来県した。

 チーズ作りは12年、那覇市の自宅で始めた。母親が作るチーズが大好きだったジョンさんにとって日本は販売する種類が少なく、味にも不満だった。

 現在は、生産に欠かせない牛の生乳を求め、意気投合した南城市の酪農家親泊清さん(48)の牧場で生産している。

 チーズは発酵食品のため、温暖で湿度の高い沖縄は製造に適している、という。中がとろりとしたカマンベール、酸味のあるチェダーなどの製法に、ラッキョウやピパーツ、クヮンソウといった沖縄の食材を加え、月間100キロほどを製造している。

 沖縄南城セレクションに8月認定された「ちゅら南城」は牛乳の風味、さっぱりした味が特徴。少し固めの「サクナ」は、長命草を加えて深みがある味わいだ。ジョンさんは「南城を代表する商品と認められうれしい。手作りのチーズで、みんなを喜ばせたい」と話す。

 ジョンさんが代表を務める「ザ・チーズガイ」の商品は、南城市大里高平の「軽便駅かりゆし市」で毎週金曜午前8時半から販売している。