社説

社説[米軍ヘリ窓落下]飛行停止し閉鎖を急げ

2017年12月14日 08:09

 米軍ヘリの窓が落下する瞬間を地元のテレビ局がカメラに収めていた。

米軍普天間飛行場

宜野湾署が回収した窓。周りは金属のようなもので、透明な部分はアクリルとみられる。黄色いレバーが付いている所から時計回りに約90センチ、約85センチ、約65センチ、約93センチ。その他、バネやピンとみられるものも回収した(写真左端)

米軍普天間飛行場 宜野湾署が回収した窓。周りは金属のようなもので、透明な部分はアクリルとみられる。黄色いレバーが付いている所から時計回りに約90センチ、約85センチ、約65センチ、約93センチ。その他、バネやピンとみられるものも回収した(写真左端)

 落ちた所は普天間第二小学校の運動場のど真ん中。2、4年生54人が体育の授業で、その場にいた。13日午前10時8分ごろのことだ。

 使うのがはばかられる言葉ではあるが、重さ約7・7キロ、約90センチ四方の金属製の窓枠が児童を直撃していたら、死んでいたかもしれない。

 もはや判で押したような安易な対応は許されないし、許さない覚悟が私たち自身にも求められている。

 普天間第二小から滑走路までわずか350メートル。運動場のフェンスの向こう側は飛行場である。離発着の際の安全が確保されているとは言い難い、異様なほどの近さだ。

 普天間飛行場の周囲には学校や公共施設などが約120カ所存在する。

 7日には、CH53ヘリに使われているのと同じ円筒状の部品が、普天間第二小から約1キロ東にある「緑ヶ丘保育園」に落下した。

 父母会が県と県議会に園上空の飛行禁止を求める嘆願書を提出したのは12日。その翌日にCH53ヘリの窓の落下事故が起きたのである。

 嘆願書には命の危険と隣り合わせの恐怖、米軍機が頭上を飛び交う異常な日常への不安がつづられている。

 普天間第二小の父母も同じことを切実に感じているはずだ。

 普天間飛行場の全機種の飛行を直ちに停止し、飛行場閉鎖に向けた計画づくりに早急に着手すべきである。

■    ■

 落下事故を起こした米軍普天間飛行場のCH53大型ヘリは、2004年8月に沖縄国際大学の構内に墜落したヘリの同型機である。

 13日はMV22オスプレイが名護市安部の沿岸部に墜落、大破した事故からちょうど1年という節目の日にあたる。

 CH53やオスプレイによる事故が後を絶たないという事実は、政府や米軍が強調する再発防止策は実効性が乏しく、再発を防ぐことができないことを物語っている。

 都市部のど真ん中にある普天間飛行場の運用、演習場と住宅地が隣接する小さな島でのオスプレイの飛行訓練には、もともと無理があるのだ。

 日米合意された航空機騒音規制措置は、米軍が「運用上必要」と判断すれば午後10時以降の夜間訓練も可能となっている。

 米軍をしばっているようで、実は実効性の伴わないざるのような取り決めになっているのである。

■    ■

 事故のたびに同じことが繰り返されるのは、沖縄の側の「弱さの表れ」という側面もある。「弱さ」とは、政府や米軍を本気で動かすだけの取り組みが足りない、という意味である。

 選挙中は抗議行動にも議会決議にも熱心だが、選挙が終わると後が続かない。

 政府は沖縄のそのような弱点を熟知しているから、いつも敏感に反応するが、抜本的な対策を打ち出すことはなく、事故は繰り返される。

 状況を根本から変えるような大きな取り組みが必要だ。

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