【国頭】サイパンで産卵した雌のアオウミガメ(絶滅危惧2類)が2千キロ以上を移動し、国頭村伊地の海岸に流れ着いていたことが4日、分かった。アオウミガメの生態は不明な点が多く、専門家によるとサイパンから移動した記録はない。

サイパンから沖縄へ移動したアオウミガメ。甲羅の白い部分が電波発信機=8月16日、国頭村伊地(嘉陽宗幸さん提供)

 8月16日の発見時はすでに死んでいた。両前足に付いていた金属製タグ(標識)から、米海洋大気局が6月1日に放流したものだと判明した。背中には位置を記録する電子タグ(電波発信機)が付いていて、今後米側に返却して分析してもらうことで詳細な移動経路も分かりそうだ。

 ウミガメは甲羅の長さが102・6センチ、幅76・8センチあった。波打ち際に浮いているのを見つけた住民が、村内に住む日本ウミガメ協議会会員の嘉陽宗幸さん(62)=に連絡した。嘉陽さんは「アオウミガメの生態を解明する手掛かりになれば」と期待する。

 死体は処分した上で、タグを沖縄美ら島財団総合研究センターに託した。センターの河津勲博士(37)によると、アオウミガメの行動には一貫した傾向がなく、データも不足している。「こうした事例をしっかり記録していくことが保全のために重要だ」と指摘した。