出生や死亡の統計データを基に5年ごとに作成される都道府県別平均寿命で、沖縄は男女とも順位を下げた。女性7位、男性36位は共に過去最低だ。

 1980年と85年、沖縄の男女は平均寿命全国1位だった。男性の順位が急落した2000年の「26ショック」から15年、順位が下がり続ける理由を県や医療関係者は、20~64歳の死亡率の高さにあると指摘する。厚労省の「年齢調整死亡率」によると、20~64歳の男性死亡率は今年、全国平均より50ポイント高く、女性も23ポイント高くなった。

 中でも20~64歳の沖縄女性は深刻だ。同世代の死亡率は全国的に低下傾向なのに、沖縄女性は悪化している。順位低下を受け医療関係者が異口同音に「もっと順位を下げると思った」と胸をなで下ろした背景には、中年女性の急激な健康悪化がある。

 沖縄女性の死亡率は、35~39歳と40~44歳で全国ワースト。55~59歳44位で、60~64歳45位だった。主な死亡原因は、子宮がんと肝疾患、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、糖尿病となっている。

 男性は35~39歳で全国ワースト。50~54歳46位、40~44歳、45~49歳、55~59歳、60~64歳で45位だ。多い死亡原因は肝疾患、大腸がん、慢性閉塞性肺疾患、自殺である。

 これら35~64歳の男女に共通する死因は肺と肝臓の疾患で、病名からは喫煙や酒量が引き金になっていることが分かる。沖縄に蔓延(まんえん)する夜型社会が、男性のみならず、子育て・働き盛り世代の女性の健康をもむしばんでいる可能性がある。

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 県は「健康長寿おきなわ復活県民会議」の中で、(1)健康診断の受診率アップ(2)肥満の解消(3)適正飲酒-の3本柱を挙げるが、目標達成には各項目の詳細な分析が必要だ。

 例えば、特定健診の受診率は、全国42・6%に対し、沖縄は41・9%と若干低い程度にとどまる。だが健診を実施する団体別では、国保34・4%に対し、健康保険協会45・8%、共済健保55・8%と開きがある。会社員や公務員の受診率が高いのに比べ、自営業や零細事業所就業者の受診率が低い。加えて県内は、健診で再検査が必要となった人の精密検査の受診率も低いという。

 肥満は、県民所得の低さが関与しているのではないか。米国では近年、低所得世帯ほどファストフードなどの高脂肪・高カロリーの食事を取りがちで、肥満に陥るとの調査研究が報告されている。

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 過去を見ると、沖縄の20~64歳死亡率は男女とも1970年後半から全国を上回る好転を見せてきた。米軍統治下の感染症対策と、復帰後の経済復興による栄養状況の改善が、当時の現役世代の健康を支えたとみられる。一方で、同死亡率は90年代に入り悪化している。戦前世代には有効だった欧米化や近代化が、戦後世代に影を落としている可能性がある。

 社会政策は健康寿命を左右する。長寿県復活には、個人の資質や努力にとどまらず、社会全体の健やかさを追求する姿勢が必要だ。