放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が14日、東京MXの「ニュース女子」で沖縄問題を取り上げた番組に対して意見を出した。委員会は、持ち込み番組に対する放送局の考査について初めて検証。番組内容を独自調査して事実関係を明らかにしており、専門家からは「デマがはびこる言論空間への危機意識の表れだ」と評価する声が上がった。

東京MXには「重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表したBPO放送倫理検証委員会の川端和治委員長(右)=14日、東京都千代田区・千代田放送会館

 「砦(とりで)が崩れた」。この日発表した意見で委員会は、持ち込み番組を放送局がチェックする考査機能を「砦」と表現。東京MXの姿勢を「考査が機能しなければ民主主義社会における放送が占める位置を脅かすことにつながる。修復を急がなければならない」と指摘した。

 問題の番組を制作したのは、化粧品会社「ディーエイチシー(DHC)」の子会社。DHCは同局のスポンサーだった。

 意見では、同局が制作過程に関わらなかったとはいえ「公共の電波を使用する以上、番組への責任は放送局にある。考査こそが責任を果たす手続きだが、問題が見逃されたまま放送された場合は、放送局が倫理違反となる」とも説明した。

 委員会の調査は放送から1カ月後の今年2月に始まった。委員会は地元消防や東村高江の区長、番組出演者らに独自で聴き取り「制作会社から取材はなかった」「反対派が手当をもらっているとは言ったことはない」などと証言を得た。

 同局が「放送法および放送基準に沿った内容だった」とした見解について、この調査を基に「判断は誤っている。放送倫理上の問題を真摯(しんし)に検証したとは言いがたい」と批判した。

 委員会の意見に、高江のヘリパッド建設に抗議してきた市民は歓迎した。東村の伊佐真次さん(55)は「正当に審議してくれた」と評価し、「うのみにしてしまった人もいるはずだ。その罪はとても大きい。いつでも取材を受けるつもりだ」と話した。

 沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は「抗議しても制作側や放送局は開き直る姿勢を見せている。指摘を受け止め反省すべきだ」と強調した。