エイミー・アダムス演じる主人公スーザンの満たされない心と持て余した色気がスクリーンを埋め尽くす、大人のラブミステリー。

映画「ノクターナル・アニマルズ」

 商才のない無能な夫との冷え切った関係。それと反比例するように、業界にはアートディレクターとしてのスーザンの名がとどろいている。

 満たされないスーザンは眠れない夜、20年前に別れた夫を思い出していた。小説家を夢見る純粋だった彼をスーザンはひどく傷つけた。

 その元夫から、心を見透かされたかのように小説が届く。スーザンへ贈る物語とのメモ。「ノクターナル・アニマルズ(=夜の獣)」と名付けられたその小説は、かつての夫からは想像もつかない暴力性にあふれる。読み進めるごとにスーザンはこれが元夫からの報復だと感じながらも、非凡な才能と暴力の持つ官能性に身を焦がしていた。(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場で12月16日から上映予定