東村高江のヘリパッド建設に対する抗議行動を取り上げた東京MXテレビの番組「ニュース女子」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は「重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表した。

 事実に基づかない番組内容を放送したことと、放送局が放送前に番組をチェックする「考査」が機能しなかったことを厳しく指摘する内容だ。

 考査が適正であったかどうか検証するのは初めてである。委員会は(1)抗議活動を行う側に対する取材の欠如(2)「救急車を止めた」との放送内容の裏付け(3)「日当」という表現の裏付け-などを考査が問題とせず、制作会社に確認しなかったことが重大な放送倫理違反に当たると認定した。

 東京MXの最大のスポンサーである化粧品会社「ディーエイチシー(DHC)」の子会社が制作した「持ち込み番組」である。

 放送局は番組の制作に関わっていない。だが、電波法の免許を得て公共の電波を使用しており、番組放送の責任があるのは言うまでもない。

 東京MXの考査担当者は今回、番組に問題なしとしていたが、放送について責任を持つ者の最低限の義務であるにもかかわらず完全版は見ていなかったという。怠慢のそしりを免れない。

 委員会は持ち込み番組をチェックする考査機能を「砦(とりで)」と表現し、同番組を放送したことで「砦は崩れた」と強い危機感を表明した。

 BPOの意見を受けて、東京MXは番組を再検証しその結果を公表してもらいたい。

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 番組内容について委員会は、裏付けがない、または不十分なまま放送されたと判断した。委員会が番組に登場した関係者らに独自に接触するなどして調べた結果である。

 救急車要請の通報が2016年7月から12月まで20件あったが、抗議する住民に通行妨害された事実はなかったことが地元消防への聞き取りでわかった。

 茶封筒を示し「日当をもらっている」とにおわせた男性が出てくるが、茶封筒は13~15年に普天間飛行場ゲート付近で見つけたもので男性が作成したコピーだった。

 出演したジャーナリストは、抗議行動をする人から取材することなく、抗議する人たちを「カメラを向けると襲撃に来る」「テロリストみたい」などと表現していた。

 ひどい内容の番組であったことが改めて示された。

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 番組で「反対運動を扇動する黒幕の正体は?」などと名指しされた在日3世の辛(シン)淑玉(スゴ)さんが「見ていて、こみ上げる怒りを抑えられなかった。胃液が上がってきて何度も吐いた」というように、県民の多くも傷つけられた。

 つい最近も米軍ヘリの部品が宜野湾市の保育園の屋根に落下したとみられる事故で、同園に「自作自演では」などと誹謗(ひぼう)中傷する電話やメールが相次いだ。

 基地を巡り事実でない情報をまき散らし敵をつくって快哉(かいさい)を叫ぶ。ネット空間ではデマややゆ、嘲笑が絶えない。放置すれば言論はすさみ、メディア不信がますます高まる。