沖縄県不動産鑑定士協会やコザ信用金庫などは、中古住宅の担保価値を評価する新たな基準を策定した。リフォームや修繕などで向上した資産価値を加味し、融資の際の担保評価に反映。買い手が住宅ローンを組みやすくなり、中古住宅の流通促進につなげる。売買相談の受け付け、評価、融資の一貫したサービスの試験運用を始めた。

中古物件のワンストップサービス案

流通市場の活性化促す

 金融機関の担保評価は、登記簿を基にしており、原則的に毎年価値が低減していく。リフォームや修繕を施しても耐用年数を過ぎると極端に資産価値が下がるため、実態との乖離(かいり)が指摘されている。

 一方、リフォームや修繕を加えると資産価値は向上し、取引価格は上がることが多い。ただ、住宅ローンでは担保評価が低くなるため、実情とそぐわない金利負担や自己資金を求められることもあるという。

 新たな評価基準で診断することで、住宅ローンを組みやすくするほか、長期修繕計画の策定も支援し、住宅の長期利用にもつなげる。良質な中古住宅を普及させ、流通の活性化を図る考えだ。

 新基準を策定したのは県不動産鑑定士協会とコザ信金のほか、県中部宅地建物取引業者会と、建築士らでつくるOKINAWA型中古住宅流通研究会の4者。新基準では、屋根や建具などの内外装、給排水などの設備の劣化状況や耐震性などを細かく分類した。建物診断士が診断する。不動産鑑定士らが周辺地域の状況なども踏まえ、物件の価格を決める。

 4者は、売買受け付けから融資までのワンストップサービスを無料で受けられる運用を試験的に始めた。実際の診断では、築30年の住宅で、リフォームした物件とそうでないもので1千万円の差が出たという。

 不動産鑑定士協会の竹内優志氏は「きちんとメンテナンスした中古住宅があれば、ライフスタイルに合わせた住み替えも可能になる」と説明。子育て世代は広い家、子どもが独立した夫婦は手頃に管理できる物件や、費用を抑えた家選びも可能になる。竹内氏は「中古住宅の取引を考えている方は、新基準の診断を受けてほしい」と呼び掛けた。