沖縄県の名護岳で花を咲かせていた希少種のカゴメラン1株が盗掘されているのが見つかった。現場は沖縄海岸国定公園で、無許可の採取は違法。発見した名護市の細川太郎さん(56)によると、昨年の同じ時期、周辺には15株ほどがあったが、今は半分に減っている。(北部報道部・阿部岳)

白い花をつけていたカゴメラン=11月15日、名護岳中腹(細川太郎さん提供)

カゴメランが姿を消した生息場所=12月11日(細川太郎さん提供)

白い花をつけていたカゴメラン=11月15日、名護岳中腹(細川太郎さん提供) カゴメランが姿を消した生息場所=12月11日(細川太郎さん提供)

 カゴメランは葉に籠の目のような白い筋があることから名付けられ、愛好家にも人気がある。県が絶滅危惧2類に指定している。

 細川さんはタカの飛来調査のため、春と秋は連日名護岳に通う。8日ごろまで中腹で見掛けたカゴメランの株が11日になくなっていたことから、9、10日の週末に盗まれたとみている。

 「生物は理由があるからそこにいる。生物を愛する者なら生息地ごと守るべきで、身勝手に奪っていくのは許せない」と憤る。

 現場は国定公園の特別地域に指定されている。カゴメランのような指定植物を採取するには県の許可が必要だが、採取の申請はないという。

 県自然保護課の担当者は「自然公園指導員に情報を提供し、重点的な監視をお願いしたい」と話した。無許可採取には6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。

 名護岳では「幻のラン」と呼ばれたナゴランが乱獲によって姿を消し、その後愛好家の努力で復活した経緯がある。名護ラン同好会の仲本善宜会長(78)は「一夜にして咲く花はない。心ない行為で、愛好家として胸が痛む」と語った。