名護市辺野古の新基地建設で、沖縄県と政府との「集中協議」の期間が9日終了する。防衛省は8月10日から中断してきた作業を16日にも再開する方向で調整していることが分かった。翁長雄志知事は8日、新基地建設の不条理や基地負担の不平等を訴えるため、スイス・ジュネーブの国連人権委員会での演説に「不可能なことがない限り出席したい」と出席する意向を初めて明言した。埋め立て承認取り消しや本体工事に向けた手続きなどで、駆け引きが始まるとみられる。

政府との集中協議から帰任し、辺野古問題について語る翁長雄志知事=8日午後、那覇空港

 翁長知事は新基地建設の是非を問う県民投票を検討しているとの報道を受け「今は何も考えていない」と現段階では否定。「私が考えて言った話ではなく、新聞を見て、そういう考え方もあるかと思っている」と述べた。那覇空港で記者団に答えた。

 埋め立て承認を取り消すタイミングについて「第三者委員会の報告を最大限尊重する基本的姿勢で、じっくり対応したい」と具体的な言及を避けた。

 中谷元・防衛相は8日午前の閣議後会見で、作業の再開時期を問われ、「県の調査が終了次第、必要な検討を行う」と述べ、岩礁破砕の有無を確認する県の調査が終了する週明け以降、早期再開の考えを示した。

 1カ月間の集中協議に関して「率直な意見交換ができた意味で非常に有意義だった」と評価。一致点を見いだせなかった点には「普天間の基地移転を実現しなければならないとの思いだ」と述べ、引き続き説明の必要性を強調した。

 安慶田光男副知事と菅義偉官房長官は9日午前、首相官邸で集中協議後の対話継続の新たな枠組みをめぐって会談する。

 辺野古沿岸の作業で、沖縄防衛局は海底ボーリング調査の全24地点のうち、陸上部5、海上の浅場7、深場7で終了しており、再開後に残る5地点での調査を進める予定だ。

 8月10日からの集中協議期間で政府はボーリング調査の中断、スパット台船の撤去、キャンプ・シュワブ内への資材搬入を停止。県は埋め立て承認取り消しの作業など法的、行政的な手続きを一切行わなかった。

 シュワブゲート前では新基地建設に抗議する住民らの座り込みは続いている。作業再開で反発を招き、混乱も予想される。