「おいしそう。食べたいなぁ」―パソコンを操作しながら、思わずつぶやいてしまう。沖縄タイムス+プラス編集部では毎週、しまパス会員へ沖縄県内のグルメニュースをメルマガで配信している。そして私はその担当者。定番の「胃心地いいね」や「運転手メシ」はもちろん、沖縄そばやステーキ、泡盛にスイーツなどおいしい記事を眺めつつの仕事はおなかが空きます…。そうだ、実際に食べに行こう!

 2017年も、あとわずか。この1年のグルメニュースを振り返って、気になるあのメニューやあの店のこだわりを紹介します。

 ことしのウマイは、ことしのうちに!

◆ボリューム満点のご当地バーガー「阿麻和利」

バンズから、大胆に飛び出すスモーク豚ロースやチーズ。これが阿麻和利です。
アングルを変えて、もう一枚。うん。やっぱり飛び出てますね。

 バンズから豪快にはみ出した肉とチーズ。刺さった長い串で安定を保つその姿。押し寄せてくるバーガーに思考が一瞬停止してしまい、聞かずにはいられなかった。

 「このバーガー、どう食べたらいいですか?」

 沖縄県うるま市にある「BONES」。アメリカンテイストな店構えに、ボリュームたっぷりのバーガーが有名な店だ。ただ、距離を考えると那覇・南部の皆さんには、少しハードルが高かったかもしれない。その思い腰を上げさせたのが、このニュースだった。

 「ハンバーガー沖縄代表『阿麻和利』が全国2位 とっとりバーガーフェスタ」

★うるま市の特産を詰め込んだら・・・

刺された串を外す時、崩れないかドキドキしました。

 目の前にある阿麻和利は、ボリュームだけでなく、うるま市の特産品を詰め込んだ「ご当地バーガー」だ。

 津堅島の津堅ニンジンのパウダーを練り込んだ赤いバンズで、10時間以上スモークした豚のロース肉と伊計島の黄金芋ムース、ゴーヤーピクルスを挟み込む。味付けは浜比嘉島産の塩と、神村酒造の泡盛「暖流」の酒粕を使用したソースだ。

 テーブルにはナイフとフォークの用意もあるが、店長の山内秀一朗さんは「そのまま、ワイルドにかぶりついて!」。口周りや手がソースで汚れても、スタッフがおしぼりを追加してくれるから大丈夫だ。アドバイスに従い、バーガーをギュッと両手で圧縮して、大口開けてかぶりつく。バーガーを食べていると実感するのは、久しぶりだ。

津堅ニンジンの赤味を帯びたバンズ。うるま市特産のもずくも試したそうです。

 赤いバンズは見栄えも楽しく(中も赤い!)、パリッと焼けた表面とふんわりやわらかな生地の2つの歯ごたえを楽しめる。勝連城の城壁をイメージし、何枚も積み重ねられた豚ロース肉は一口食べても、二口食べてもまだまだ減らない。そして泡盛の酒粕がソースの深みを引き立てている。

テーブルには一通りの調味料が揃ってます。

 A1ソースとBBQソースもテーブルに並ぶが、山内さんのお勧めはマスタードだ。

 マスタードにはイナムドゥチ(沖縄の郷土料理、具だくさんのお味噌汁)の白味噌が入っていて、口当たりはしっとりとやわらかく、辛さの中に甘みを感じられる。このマスタード、とっとりバーガーフェスでは一人前の小分け容器に入れて提供したほど、欠かせない調味料だ。

 途中から味わいにアクセントが加わったことで、見た目よりもペロリと食べられる。肉を食べた満足感もばっちりだ。

★★阿麻和利、2代目もあるってよ

「阿麻和利食べた後は、ぜひうるま市観光を・・・」と話す山内秀一朗店長。

 うるま市の魅力がギュッとつまったご当地バーガーだが、開発した山内さんは宜野湾市出身だ。「うるま市は闘牛が有名ですが、『それ以外は?』と尋ねると、なかなかでてこない。魅力的なものは多いが、地元の人は当たり前すぎて気付かない」と山内さん。市外から来たからこそ、その発信力の弱さを痛感したし、意識した人脈作りができたと振り返る。阿麻和利はそれら人々の思いの結晶で、「バーガーを食べた後に、勝連城跡や海中道路にも寄ってほしい」と願う。

 「2代目阿麻和利」の開発も進む。うるま市の魅力を充実させようと、今回は中部農林高校の学生たちとタッグを組む。「とっとりバーガーフェスタは、あと少しで優勝だった」と山内さんは悔しがる。その挑戦は2代目へと引き継がれる。来年5月から販売開始の予定で、どの特産品をどう生かすのかはまだ秘密だ。「学生たちの発想を楽しみにしてほしい」と笑った。