沖縄県久米島沖で那覇地区漁協所属の漁船「海修丸」が転覆し男性船長が行方不明になっていた事故で、那覇海上保安部は9日、付近の海域で約6時間後に発見された遺体が行方不明の船長だったと発表した。

 亡くなったのは浦添市の57歳の男性で、同漁協によると、国の助成を受け県漁業振興基金が委託していた密漁監視業務の最中だった。那覇海上保安部が死因や事故原因などを調べている。

 那覇地区漁協は昨年10月から、中国漁船などの監視業務を受託。同漁協からは漁船20~30隻が登録され、1隻あたり年間最大30日間の任務があるという。

 沖縄気象台によると船長の連絡が途絶えた4日から7日にかけて、現場は大気が不安定な状態で「突風や急な強い雨の発生があり得た」という。6日朝から夜にかけては波浪、雷注意報が発令されていた。

■安全対策徹底 水産庁が通達

 亡くなった船長(57)が従事した密漁監視業務は、沖縄県漁業振興基金が水産庁の助成を受け各漁協へ委託していた。2014年4月からの「外国漁船操業等調査・監視事業」の一環。 同基金によると死亡事故は事業開始後初めて。水産庁は9日、安全対策の徹底を求める文書を同基金に送付し、関係先に通達した。調査は2隻以上で行って連絡体制を確保することや、気象が悪化した際の調査中止など対策徹底を求めた。

 同事業は台湾や中国などの外国漁船の操業状況を調べるもので、15年度は県内36漁協のうち29漁協と県まぐろ漁業協会が事業を受託した。