通常だれでも、多少なりに腋(わき)には臭いがあるものです。しかしその程度が強く、本人および他人に不快を与えてしまう状態になったものを、ワキガ(腋臭症(えきしゅうしょう))といいます。この臭いは、腋の皮膚の下にあるアポクリン腺という汗腺から分泌された脂肪酸が、皮膚に存在する細菌に分解されて起こります。日本人は欧米人に比較するともともと体臭が少ない人種ですが、温暖な沖縄においては、汗腺が発達している人が多く、従ってワキガの症状で悩んでおられる方も比較的多く見受けられます。また、肉や油物を好む食生活をしている方にワキガの症状が強くなる傾向もありますので、まずは食習慣を見直してみるというのも一つの対策といえましょう。

 多汗症は、もう一つの汗腺であるエクリン腺からの汗の分泌が亢(こう)進している状態です。ワキガには通常よりも高率に多汗症を合併しているといわれており、間接的にワキガの症状を増強させてしまいます。

 ワキガや多汗症を治すには、腋の皮下にある汗腺組織を手術により取り除くことが必要です。手術は主に、形成外科や美容外科で受けることができ、いくつかの方法があります。代表的なものとしてはメスとハサミを使って汗腺をそぎ落とす剪除(せんじょ)法(切開法)や、カニューラという器具や超音波メスなどの機器を用い、汗腺組織をかき取りながら吸引することで傷痕を小さく行える治療までさまざまな方法があります。これら手術の場合には程度の差こそありますが、いずれも患部の包帯圧迫などの術後ケアも大事なものとなってきます。

 また、根治療法ではありませんが、Botox(ボトックス)という、一時的に発汗を抑える作用のある薬剤を腋に注射し、腋の衛生状態を良好に保つ事により臭いを軽減させるという、体に負担をかけずにできる治療法や、更に最近では、マイクロ波エネルギーを利用した機器により汗腺組織を破壊するという非手術的な新しい治療概念も出現しております。新しい施術法に、即過大な期待を抱くのは時期尚早だと考えますが、今後の発展が期待されます。

 この様に、ワキガ多汗症に対する治療法も選択肢が広がっておりますが、それぞれに利点・欠点がありますので、専門医に相談の上、自分に合った方法で治療を受ける必要があるでしょう。

 沖縄では、これからもしばらく暑さが続きますね。わきの症状が気になる方は、まずは食生活を見直してみる、制汗剤などを利用し衛生状態を良好に保つ、といった事を心掛け、それでも気になる場合は、ワキガは治せる疾患なので、形成外科の扉をたたいてみましょう!(新垣 光之・CSC クリア・スキンクリニック那覇)