辺野古新基地建設問題で、翁長雄志知事は14日、県庁で記者会見し、前知事が行った辺野古埋め立ての「承認取り消し」を表明する。

 県の承認取り消しに対し、政府は行政不服審査法に基づく審査請求で対抗し、最終的に法廷で争うことになるとみられる。

 重要になってくるのが、いかに国際・国内世論を沖縄の側に引きつけ、沖縄の訴えに正当性があることを理解してもらうかである。

 国際世論を喚起するための一環が翁長知事の国連演説である。翁長知事は21日、スイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会で演説する。またとないチャンスである。

 沖縄の明確な民意に基づいて承認取り消しをした上で国際世論に訴えることは、翁長知事の演説をよりインパクトの強いものにするであろう。

 演説で翁長知事は、沖縄が過重な基地負担を背負わされ、自己決定権がないがしろにされてきた経緯などを明らかにする。

 国連人権理事会で日本の都道府県知事が発言するのは初めてである。演説によって新基地建設問題の局面が一気に転換するとみるのは楽観的すぎるが、国際社会に沖縄問題を認識させる出発点にしてもらいたい。

 ジュネーブでは同じ日「島ぐるみ会議」が主催するシンポジウムが開かれ、翁長知事が基調講演する。22日には海外メディアを相手に記者会見を開く。これらも国際社会に沖縄の現状を知らせる手段の一つにしてほしい。

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 辺野古新基地問題は国際社会の目にはどう映っているのだろうか。

 人権侵害などを調査する国連人権理事会特別報告者、ビクトリア・タウリ・コープス氏は8月に来沖した際「先住民の土地で事前同意なしに事業をしてはいけない」と断言。辺野古新基地は「『先住民族の権利に関する国連宣言』に反している」と指摘した。

 先住民の定義は、言語などの文化的特性を維持し、迫害・差別の経験がある-ことなどが要件で、国連人権理事会は沖縄を「先住民」として認めている。コープス氏は翁長知事に「基地の集中する状況は差別的だ」と米軍基地を視察した感想を語った。

 世界の識者が翁長知事に承認取り消しを促す緊急声明「世界は見ている」の賛同者は109人に上る。集中協議の結果にかかわらず工事再開を表明した政府を批判している。新基地建設に反対する沖縄の人たちを支援する輪が広がっているのだ。

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 国内世論を高めるため「島ぐるみ会議」は5月から「全国キャラバン運動」を実施。講師を派遣し本土各地の市民団体と連携を強めている。

 辺野古基金には全国から4億円を超える寄付金が集まっている。基金を利用し、国内の地方紙48社、全国紙3社に辺野古新基地建設に反対する意見広告を掲載した。

 全国の世論調査では新基地建設を進める政府を「評価しない」が多数を占める傾向にある。本土側の関心を持続させるためにも、沖縄からの発信がもっと必要だ。