翁長雄志知事は14日、沖縄県庁で記者会見し、名護市辺野古の新基地建設で前県政が出した埋め立て承認を取り消すと発表した。同日、沖縄防衛局に対し、28日に意見聴取する通知を提出。早ければ10月上旬にも取り消しが確定する見通し。一方、取り消しが確定した場合、防衛局は国土交通相へ行政不服審査法に基づく取り消しの執行停止の申し立てと審査請求を行う方向で調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。

辺野古埋め立て承認取り消しの手続きを始めたと表明する翁長雄志知事=14日午前10時21分、沖縄県庁

埋め立て承認取り消しの理由(骨子)

辺野古埋め立て承認取り消しの手続きを始めたと表明する翁長雄志知事=14日午前10時21分、沖縄県庁 埋め立て承認取り消しの理由(骨子)

 翁長知事は会見で「あらゆる手段を講じて辺野古に基地は造らせない第一歩」と述べ、第三者委員会の報告に基づき、承認手続きに瑕疵(かし)があるとして取り消す考えを説明した。

 県は意見聴取とその後の精査期間も含め、取り消しの確定まで3週間から1カ月程度と想定。政府高官は14日、取り消しが確定した場合、防衛局は取り消しの効力を止める執行停止と無効を求める不服申し立てを行う方針であることを明らかにした。

 会見には浦崎唯昭、安慶田光男両副知事と、県の法律顧問弁護士が同席。翁長知事は県と国が対立する構図に「民主主義国として、この状況にみんなの理解を得られるのか、あるがままを見てもらうことも日本の政治の在り方を問う意味でも大切なことではないか」と、国連人権理事会での演説を通して世論に訴えたいと強調した。

 県が防衛局に提出した通知書では、取り消しの理由として第三者委員会の報告書を基に、普天間飛行場の辺野古移設の必要性が認められないことや、ウミガメ、サンゴ、ジュゴンの保護や騒音対策などの環境保全措置が適切に講じられていると言い難いことなどを挙げている。

 翁長知事はあらゆる手段で新基地建設を阻止する公約を掲げてきた。翁長知事が設置した有識者でつくる第三者委員会が承認手続きに瑕疵があるとした報告を「最大限尊重する」と明言し、溝が埋まらないまま集中協議が終わったことや作業の再開などを踏まえ、取り消し手続きに踏み切った。