沖縄県の翁長雄志知事が表明した埋め立て承認の取り消しは、今後、国との厳しいやりとりを予想させる。かつて政府と渡り合い、米国と独自のパイプも築こうとした元知事の大田昌秀氏(90)は「過去の知事の取り組みから、成功と失敗を学ぶことが重要だ」と提言する。

「過去の知事の取り組みから学ぶことがある」と語る大田昌秀元知事=14日、那覇市内

 「一日でも早く工事を中止に追い込まないといけないのに、なぜ第三者委員会の報告が出た時に表明しなかったのか」。1990年から2期8年知事を務めた大田氏は、こう指摘する。本体工事が始まると、国が作業を止めるとは思えないからだ。

 工事を中止に追い込む手段については「ただ『止める』と言っても分からない。県民に分かりやすく伝え、理解と支援を受けないと、応援したくてもできない」と話した。

 今後は、法廷闘争も予想される。米軍基地の強制使用をめぐる代理署名の問題で、国との裁判に敗訴した大田氏は「理論的に正しくても、司法が行政に従属している状況では勝てない」と先行きの難しさを語る。

 スイス・ジュネーブの国連人権理事会での演説に関しては「大事」としつつ、課題にも言及。権限を持つ米国政府の主要幹部や世論に影響力を持つ有識者らとの関係強化が必要とし、「協力者を得る方法を考えないといけない」と述べた。