県立北部病院(仲間司院長)の産婦人科医が10月中旬から、現在の2人から指導医クラスが新たに2人増え、4人体制となることが15日、分かった。定数である4人体制は2009年4月以来で6年6カ月ぶり。05年4月に休止して以降、医師不足のため再開と縮小、救急受け入れ制限など不安定な状態が続く産婦人科だが、北部地域で安心して子どもを産める体制整備に向け、大きな一歩となる。

沖縄県立北部病院

 新たに赴任する2人は県外出身のベテラン医師。県病院事業局の伊江朝次局長は「2人とも離島や過疎地域も経験している。大学病院からの派遣でもなく、移住してくれるので、恒常的な体制づくりが期待できる」と話した。

 4人体制によって、名護市内の2診療所と連携しながら正常分娩(ぶんべん)受け入れ拡大も検討する。現在は「極めて緊急性が高い」場合を除いて原則として中部病院に搬送する救急制限も徐々に解除したいという。

 北部病院はNICU(新生児集中治療室)の来春開設を検討。産科と小児が一体となって比較的高度な医療を提供する地域周産期母子医療センターの県認定を目指している。

 こうした体制をつくるには看護師拡充や施設整備が必要で、夜間の当直体制を全面再開するには医師5人が必要と病院側は指摘する。4人体制になっても救急の制限がすぐに解除されるわけではなく、赴任する医師と調整した上で判断するという。

 仲間院長は「北部の“失われた10年”が解決するめどはついたが、周産期医療は県立病院だけでなく地域社会全体で協力する態勢がないと、また失われた10年が来てしまう」と慎重姿勢を崩さず、地域の理解を今後も得たいと述べた。